どんなに準備しても暗譜飛びしてしまうことはある
前々回の記事で「♯10 もう忘れない、暗譜の3つの手順」で暗譜強化のための方法をお伝えしました。
今回は「それでも本番で音を忘れてしまったら…?」をテーマにお話しします。
どんなに万全に準備していても、本番という緊張状態で音を忘れてしまうことは誰にだって起こりえます。
では、そんなときにどう行動したらいいのか。
『タイムマシーンを発明して過去にもどって忘れた箇所を重点的に練習する』
どこかのネコ型ロボットがいないかぎり、それは不可能です。
ここでは、そんな夢みたいなものではなく、もっと具体的な対処法をお伝えします。
結論、音忘れ(暗譜飛び)はごまかせます。
というかごまかすことが超重要です。これは必須の技術です。
ですが、ごまかし方にもコツがあります。
ぜひこの記事を読んで、暗譜飛びをおそれず冷静に対処できるようにしていきましょう。
(大きなコンクール等では、音を忘れてしまった時点で減点になってしまうこともあるかもしれませんが、音楽の流れを止めなければ、多少の音抜けや音忘れが必ずしも減点につながるわけではありません。)
音忘れ(暗譜飛び)をごまかすコツ3つ
絶対に止まらない!弾き直さない!
これが何より大切ですね。演奏を聴いているのはその曲を知っている玄人ばかりではありません。
その玄人でさえ、大きなミスでなければ気づかないことだってあります。
ですが、素人でも玄人でもあきらかに音を間違えていると気づくのは、曲の途中で音楽が完全に止まってしまったときです。
止まってしまうのは、一番避けたい状況です。
違う音を弾いても構わないので、意地でも流れをつないで軌道を修正しましょう。
細かい音忘れは無視する
「あれ、ここの和音、中の音はどうなっていたっけ…?」
こんなふうにピンポイントで忘れてしまうこともあるでしょう。
そういうときは、忘れた音にとらわれるのではなく、覚えている音でいかに流れをつなぐかが重要になってきます。
特に大体のピアノ曲は、メロディーとバスを死守できれば、なんとかごませます。
(あまり声を大にしては言えませんが…)
プラス、和音も大体あっていたら曲を良く知っている人でないと分かりません。
繰り返しますが、「止まったら誰でも分かります」!
細かい音にとらわれて流れを止めるくらいなら、自分で作曲してしまいましょう。
無限ループはどこかで終わればいい
音楽は、同じメロディーが何回も出てくることが多いです。
大体ちょっとずつ変化しながら、曲の終わりに向かっていきます。
この「ちょっとずつの変化」を忘れると、無限ループに陥ります。
無限ループに陥ったら無理に抜け出そうとするのではなく、もう一回戻ってきた時点で先に進めばいいのです。
無理に抜け出そうとするとちぐはぐになり、曲を知らない人でも「なんかおかしいな」と気づきます。
あくまで自然な流れのなかで、元の軌道に修正しましょう。
番外:何も思い出せないときは…
ひとつの音も浮かばないという最悪の状態に陥った時は、深呼吸をして分かるところから(何も分からなければ始めから)弾き直しましょう。
限界まではごまかしてなんとか耐えてほしいですが、どうしても無理だと思ったときは潔く弾き直しましょう。
別に暗譜が飛んでしまったからといって、死んでしまうわけではありません。
そのときはとてもつらいかもしれませんが、その悔しさやつらさがきっとあなたを成長させてくれます。
「失敗は成功のもと」「ピンチはチャンス」「諦めたらそこで終了」
挑戦をやめなければ、いつかあの経験があって良かったと思えるようになります。
まとめ
人前で演奏するとき、どんなに対策していても音を忘れてしまうことは誰にだってあります。
そうなってしまったとき、慌てることなく音楽の流れを大切にして紡ぐことが重要です。
そして、なによりどんな状況に陥っても「心をこめて最後まで演奏する」ことが一番大切なことです。
小さいミスにとらわれず、自分が今演奏している曲の魅力が伝わるように、ただひたすらに演奏しましょう。
私もそれをずっと目指しています。
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