良い演奏をするには、自分の耳が肥えてなければならない
皆さんは、「ピアノが上手になりたい」と思ったときどんなことをしますか?
おそらく「練習時間を増やす」という回答が多く返ってきそうだと思います。
それもある一定のレベルでは間違いではありません。
ですが、本当にピアノが上手になりたいのなら、まずは自分の耳が良い演奏とはどういうものか認識していなければなりません。
・本当にピアノが上手になりたい人
・どこか自分の演奏に限界を感じている人
結論:とにかくたくさん人の演奏を聴くこと!!
今日の記事は、これにつきます。
耳を鍛えること
耳を鍛えなければならないのは、音楽を鑑賞したい人だけではありません。
演奏をする私たちこそが、本当に耳を鍛えなければならない人たちです。
どのように自分の耳を育てていったらいいのか。
何事もそうですが、なにかの上達を目指す場合は、まず他の人のレベルを知ること、その良し悪しをわかるようになることが重要です。
ピアノにおいてそれは、他人の演奏を聴くことから始まります。
上手な人の演奏も、下手な人の演奏も聴く
「他人の演奏を聴くのなら、とにかく上手だといわれている人の演奏をたくさん聴けばよいだろう」
このように思われる方もいらっしゃると思います。
ですが、あまり上手じゃない人の演奏を聴くことも「耳を鍛える」ということにおいては有効なのです。
下手な人の演奏も聴いたほうがいい理由
それは、簡単にいえば耳が鍛わっていない人が上手な人の演奏を聴いたからといってその演奏のどこが上手なのか、下のレベルを知らなければ永遠にわからないからです。
・この人の演奏のどこが下手なのか
・上手だと言われている人の演奏とどこが違うのか
これらを明確にするためにも、上手な人だけでなく下手な人の演奏も、ぜひ積極的に聴いてください。
とにかくたくさん聴くこと
一人二人の演奏を聴いたって、ちっとも耳は鍛わりません。
十人でも厳しいです。五十人でも怪しいです。
自分のなかにたくさんの演奏を聴くという経験を作れば作るほど、耳を鍛えることができます。
美食家の人たちも、どれが本当においしいものか舌を鍛えるためにたくさん料理を食べているはずです。
それとまったく同じ理由です。
演奏を聴くのは、生音と機械ではどちらがいいのか
生の音に触れられるのが、一番いいです。
お金を払って聴きに行く演奏会だけでなく、コンクールなど出入り自由で開放されているものも多いので、そちらを有効利用するのもいいでしょう。
そういったものもうまく活用しながら、積極的に生音に触れましょう。
もちろん、機械でも(YouTube等)聴かないよりは聴いた方がいいです。
最近は手軽に人の演奏を聴くことができるので、ぜひ活用しましょう。
出場したコンクールは耳を鍛える格好の穴場
聴くことが自由解放されていないコンクールでは、まったく関係のない人が聴くことはできません。
ですが、自分が出場したコンクールはだいたいの場合他の人の演奏を聴くことができます。
人の演奏にたくさん触れることができるまたとない機会です。
自分の出番が終わって「はい、終了。」ではなく、自分の出番が終わったからこそ学びに徹するのが得だと思います。
自分の出番前だったら、ホールの響き具合とかピアノの状態とか、これから演奏する自分のために参考できることも多いです。
コンクールに出場したら、積極的にほかのライバルの演奏を聴いて耳を鍛えましょう。
上手な人と自分の演奏のどこが違うのか考える
上記の行動を経て、なんとなく演奏の良し悪しがわかるようになりました。
ここでおしまいにしていいのは、音楽評論家、音楽愛好家の人たちです。
私たち演奏者は、その先の行動をとらなくてはなりません。
自分の演奏の現状を把握し、上手な人たちと具体的にどのよう点において演奏が異なるのか考える。
自分の現状を把握し差異を知ることで、これから具体的に自分がどのように変わっていけばいいのか知ることができるのです。
どのように変わればいいのかはわかるけど、そのための手段がわからないという人は、上手な人に教えてもらう、または質問するのがいいでしょう。
「でも自分がわかっていないのがばれてしまうから、聞けない。」
という人がいたら、
今すぐそんなちんけなプライドは捨ててしまいましょう。
変なプライドからは、なにも生まれません。なんなら衰退します。
「ピアノが上手になりたい」ただその気持ちだけをもって、人に頼ることをおすすめします。
演奏が変わるきっかけになった友人のことば
私が大学入学したころ、まわりの人たちとの圧倒的なレベルの差を感じて落ち込む日々が続いていました。
「どうしたらもっとピアノが上手になるんだろう?」
「もうどうしたらいいのかわからない」
毎日そんなふうに思っていました。
そんなときに同じ音楽大学に通ってピアノを弾く友人から
「いろんな演奏聴けばいいと思うよ。」
と言われました。
私はそれから、通学や移動の時間は常に誰かの演奏を流し聴きをし、学生券を有効活用してたくさんの演奏会に足を運びました。
コンクールなど人の演奏を聴ける機会は、時間が許すかぎりずっと会場で聴いていました。
その経験から、どういう演奏が良い演奏なのかを見極めることができるようになったと感じています。
大学入学時には、まわりとのレベルの差にギャップを感じ落ち込んでいましたが、その年の年度末に行われた実技試験ではいい成績を残すことができました。
あのときにアドバイスをくれた友人に感謝しています。
まとめ
演奏家に限らず、ピアノを学ぶすべての人に今回の記事の内容を頭に入れていてほしいです。
「とにかく人の演奏をたくさん聴いて耳を育てる」
・上手な人のも下手な人のも聴く
・とにかくたくさん聴く
・上手な人と自分の演奏の差を考える
少しでも上手な人に近づけるよう、継続的に努力していきましょう。
行動を続けていれば、未来は変わるはずです。
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