♯46 ピアノ初心者のための座り方と手の形|弾きやすくなるコツ

ピアノ教育

ピアノを始めたばかりの頃は、どうしても「どの音を弾くか」「楽譜を読むこと」に意識がいきがちです。

でも実は、それ以上に大切なのが 座り方と手の形

正しい姿勢とフォームで弾くことで、余計な力が抜けてスムーズに指が動き、無理なく美しい音が出せるようになります。

逆に、自己流で弾いてしまうと、手や体に余計な力が入り、長く続けるうちに「弾きにくい」「疲れる」「ピアノが鳴らない」などの原因になってしまいます。

4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける私が、初心者の方にぜひ最初に知ってほしい ピアノの座り方と手の形の基本 をわかりやすく解説します。

座り方のポイント

椅子の高さ

鍵盤に手を置いたとき、腕が水平か、やや下がるくらいが理想です。

手首と鍵盤が平行になるように手を置きましょう。

椅子が高すぎると重心があがって、安定した音が出せなくなります。

逆に、低すぎると手首や腕に余計な力が入り、弾きにくさにつながるので注意が必要です。

ピアノと椅子の距離

鍵盤から腕を伸ばして肘が軽く曲がる程度に座ります。

近すぎると腕が窮屈になり、可動域がせまくなってしまいます。

遠すぎると指先に力が入りにくく、コントロールしづらくなります。

座る位置

椅子の3分の1程度のところにお尻を置きます。

目安は、半分よりも少し手前くらいの位置がおすすめです。

手前に座りすぎるとお尻が落っこちてしまいますし、深く座りすぎるとリラックスしすぎてしまいます。

姿勢

お尻の骨にしっかりと体重をのせ、背筋をまっすぐに保ち猫背や反り腰にならないよう注意しましょう。

肩の力を抜き、体を左右に自由に動かせる余裕を持ちます。

足の位置

足はピタッとくっつけず、両足を肩幅程度に広げます。

両足の幅は、そこから足だけで立ち上がれるくらいが目安です。

ペダルを踏む際はかかとをしっかりと地面につけます。ペダルを踏まないもう片方の足は曲げるのではなく、先ほど話した「立ち上がれる位置」に置きます。


手の形のポイント

基本のフォーム

指を軽く丸めて、卵を包むような形が基本のフォームです。

手のひらがつぶれたり、反り返ったりしないようにしましょう。

指先の使い方

鍵盤を叩く時は「指の腹(面積が広い柔らかい部分)」ではなく「指先(爪の少し下)」で触れます。

指が寝てしまうと力が逃げ、しっかりした音が出せません。

あえて指を寝かせた弾き方もありますが、ピアノ初心者の皆さんは第1関節、第2関節、第3関節、ともに軽く山を作るようにして鍵盤を叩きましょう。

手首の位置

手首は力を抜いた柔らかい状態で、鍵盤に対して水平に置きます。

必ずその位置にとどめる必要はなく、音型に合わせて上下左右に動かせるようにしましょう。


よくあるNG例

指がまっすぐのびて弾いてしまう

指先に力を入れられず、ふわふわした音しか出せなくなります。

癖になるとなかなか直すのが難しいです。初めの段階から特に意識する必要があります。

背中が丸まって姿勢が悪くなる

背中が丸まっていてもピアノを弾くということはできますが、大きな音を出すときに腕の重さを正確に指にのせづらくなります。

手首を下げて弾く

指先に重さがかかりすぎて、速いパッセージのときに指が回しづらいです。

また、指先自体のコントロール力や強度が身につけられないという弊害もあります。


ピアノを弾く際の正しい座り方と手の形をお伝えしました。

  • 座り方は「椅子の高さ」「ピアノとの距離」「座る位置」「正しい姿勢」がポイント
  • 手の形は「卵を包むように」「関節で軽く山を作って爪の下の指先で弾く」「手首は水平に」がポイント

座り方と手の形を整えるだけで、ピアノの音も弾きやすさも変わります。

初めが肝心です。癖になってしまう前に正しい弾き方を身につけられるようにしましょう。

そして、毎日の練習の中で継続して意識してみてください。

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