ピアノのレッスンで先生に言われたこと、
「その場ではわかったつもりなのに、家で練習すると思い出せない」──そんな経験はありませんか?
レッスン録音は、そんな悩みを解決してくれる大切なツールです。
先生のアドバイスを確実に自分の中に落とし込み、練習の質を上げるための“もう一人の先生”のような存在として、活躍します。
※ただし、録音する際は必ず先生に許可を取りましょう。
4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名以上にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、
レッスンでの録音を「上達の実感につなげる」方法をお伝えします。
レッスン録音の目的は「記録」ではなく「定着」
レッスンでの録音は、単なる記録のためではありません。
むしろ、「レッスンの内容を定着させるための道具」です。
レッスン中は演奏や指摘されることに集中しているため、先生の言葉をすべて覚えておくのは難しいもの。
録音しておけば、あとで何度でも聴き直せて、自分の理解を深める時間を持つことができます。
特におすすめなのは、
- どんな注意を受けたか
- どのように弾き方を変えたか
- 先生が例を示した箇所
これらを後から聴き返すことです。
「そのときの音」と「先生の言葉」が一致することで、次の練習の方向性が明確になります。
レッスンで一度言われたことは次で直す
レッスン録音を活かすうえで一番大切なのは、
「一度言われたことは次までに直す」意識を持つこと。
録音を聴き返すことで、「どこまでできていたのか」「何を勘違いしていたのか」を確かめられます。
先生が同じ指摘を繰り返さなくて済むよう、録音を通じて自分の理解を整理するのです。
録音を聴きながら、メモを取ると効果的です。
たとえば、
- 言われたポイントを楽譜に書き込む
- 練習時に意識することをメモする
- 前回の録音と今回を聴き比べて、改善点をチェックする
こうした積み重ねが、演奏の精度と再現力を大きく高めてくれます。
録音の基本マナーと実践ポイント
必ず、先生に許可を取る
録音には、先生のアドバイスや演奏が含まれます。
必ず「復習のために録音してもよろしいでしょうか?」と一言確認しましょう。
多くの先生は、学びへの前向きな姿勢として快く許可してくださいます。
スマートフォンで十分
最近のスマートフォンは音質も良く、ピアノと先生の声の両方を拾えます。
できるだけピアノの響きが自然に入る場所に置き、余計な雑音を避けましょう。
録音を聴くときの工夫
録音を「なんとなく聴く」のではなく、次のように活用すると効果的です。
- 先生の言葉と自分の音を照らし合わせる
- できていなかった部分に印をつける
- 次の練習でどんな工夫をするか考える
録音は、自分の練習を設計するための材料になります。
自分を“客観的に見る”ための道具として
レッスンにおいてだけでなく、録音を続けていると演奏を客観的に見る力が育ちます。
「感覚」だけでなく「事実」として自分の演奏を振り返ることができるからです。
たとえば、
- 思っていたよりテンポが揺れていた
- フレーズの終わりに変なアクセントがついていた
- ペダルの濁りが気になった
など、録音を通して初めて気づくことも多いでしょう。
これこそが、録音の本当の価値。
自分を“評価する耳”ではなく、“理解する目”を持てるようになることが、着実な成長につながります。
【筆者の体験談】
私は中学生くらいから、レッスン録音の重要性に気づきました。
・先生から指摘されたことをなんとなく覚えているけれど、全部は覚えきれていない
・同じことを指摘されていることに気づく
こうした流れから、私は一歩先の進歩を目指すためにどのように行動したらいいかを考えるようになりました。
そこで考えに至ったのが、「レッスンを録音して聞き返すこと」でした。
実行してみて、その効果に驚きました。
まず、先生がおっしゃっていたことがよりわかる、ということでした。
自分のどういう演奏に対して、先生はそのように指摘したのか。
現状を正確に測ることが大切だと、あらためて思いました。
実際にそれがどれだけ演奏の進歩に影響したのか測ることはできていませんが、
先生がおっしゃっていたことがより理解できたという実感を得られたことは、とても大きな収穫だったと考えます。
まとめ
レッスン録音は、“聴く練習”ではなく“理解を深める練習”。
自分の演奏と先生のアドバイスを客観的に見つめ直すことで、練習の質が一段階上がります。
(先生に事前に許可を取ることが前提ですが)録音を続けていくうちに、
「言われたことを確実に直せる人」
「自分で考え、成長できる人」
へと変わっていくはずです。
そして、あなたの演奏をさらに磨く、とても良きツールとなるでしょう。
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