
「ピアノを弾いてみたいけれど、何から手をつければいいのかわからない……」
「大人になってから始めても、本当に弾けるようになるの?」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ピアノは、正しいステップを踏めば何歳からでも、独学でも楽しむことができる素晴らしい楽器です。
この記事では、ピアノを始めるために必要な「最初の準備」から、挫折しないための「練習のコツ」まで、初心者の方がまず知っておくべきポイントを凝縮して解説します。
筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。
まずは「88鍵」ある楽器を用意しよう

ピアノを始めるにあたって、まず必要なのは楽器です。
本物のピアノ(アップライトやグランドピアノ)があれば理想的ですが、最近は高性能な電子ピアノやキーボードもたくさんあります。住宅事情や予算に合わせて選んで構いません。
ただし、絶対に譲れないポイントがひとつだけあります。
それは「88鍵あるものを選ぶこと」です。
キーボードには61鍵や76鍵といったコンパクトなものもありますが、鍵盤数が少ないと、弾きたい曲の途中で「音が足りない!」という事態に陥ります。
せっかく練習したのに最後まで弾けないのは悲しいですよね。
長く楽しむためにも、最初からフルサイズの88鍵を選びましょう。
失敗しない「楽譜選び」の3つのチェックポイント

次に必要なのが楽譜です。
最近は初心者向けの教本が充実していますが、実は「初心者向け」と書かれていても、実際に開いてみると意外と難しいものが少なくありません。
選ぶときは、以下の3点をチェックしてみてください。
- 「楽譜が黒くないか」を確認:
パッと見て、音符がぎっしり詰まっていない(白い余白が多い)ものを選びましょう。 - 左手の音数が少ないもの:
初心者にとって最大の壁は「両手で弾くこと」です。左手がシンプルな全音符や二分音符中心のものを選びましょう。 - 予備知識の解説があるか:
鍵盤の名称や座り方など、弾く前の基礎知識が丁寧に書かれている本がベストです。
おすすめは、「四分音符(黒丸)」や「二分音符(白丸)」だけで構成されている超入門書です。
八分音符や十六分音符、タイ(音をつなげる記号)が出てくると一気に難易度が上がるので、まずは一番シンプルなものから始めましょう。
上達の近道は「正しい姿勢と椅子の高さ」にあり

楽器と楽譜が揃ったら、いよいよピアノの前に座ります。
ここで最も大切なのが「姿勢」です。
理想は、鍵盤に対して手首が平行になる高さです。
椅子が低すぎて鍵盤にぶら下がるような形になったり、逆に高すぎて手首が不自然に曲がったりすると、手や腕に余計な負荷がかかり、指がスムーズに動きません。
- 椅子の高さ調節:
高さが足りないときは、雑誌を重ねたり、硬めの分厚いクッションを敷いたりして調整してください。 - 床に座るのはNG: 正座やあぐらでキーボードを弾くのは避けましょう。必ず椅子に座り、足が安定した状態で弾くのが上達のコツです。
最初に変な癖がつくと、後から直すのが大変です。まずは「楽な姿勢」を意識しましょう。
基礎の基礎!「指番号」と「ドの位置」を覚えよう

ピアノを弾くための「共通言語」を覚えましょう。
指番号を覚える
ピアノでは、左右どちらの手も、親指から順番に番号が決まっています。
- 1:親指
- 2:人差し指
- 3:中指
- 4:薬指
- 5:小指
楽譜には「どの指で弾くか」を示す番号が振られていることが多いので、まずはこれを暗記しましょう。
「ド」の位置を見つける
ピアノの鍵盤をよく見ると、黒い鍵盤(黒鍵)が「2つ並んでいるところ」と「3つ並んでいるところ」があることに気づくはずです。
「2つ並んでいる黒鍵」のすぐ左下が「ド(C)」の音です。

ここがすべての基準、いわば「一丁目一番地」になります。
魔法の形「たまごの手」を作ってみよう

指を動かす前に、手の形を整えます。
おすすめの練習法は、「片手でボールを持ち、もう片方の手でそれをグラブのように包み込む」イメージです。
そのままボールをそっと抜いて、その形のまま鍵盤に手を置いてみてください。すべての関節が軽く曲がり、指先で鍵盤を捉えられる形が理想です。
ベタッと指を寝かせず、ふんわりとした形を意識しましょう。
挫折しないための練習マインド

最後に、長く続けるための大切な心構えをお伝えします。
- ゆっくり、少しずつ:
焦りは禁物です。音数の少ない曲から、一音ずつ確認しながら進めましょう。 - 短時間でも毎日触れる:
1週間に1回3時間練習するより、毎日5分でも鍵盤に触れる方が指は覚えます。 - プロの姿を参考にする:
姿勢や手の形で迷ったら、YouTubeなどでプロのピアニストの演奏を見てみましょう。「あんなにリラックスして弾いているんだ」という発見があるはずです。 - 無理をしない:
指や手首が痛いと感じたら、すぐに休憩してください。
いきなり難易度を上げないことが大切
私は以前、スケートボードを始めた翌日に「もう慣れた」と思い込み、友人と中級コースに行きました。
結果、とんでもない山の斜面に圧倒され、滑るどころではありませんでした。
ピアノも同じです。
「憧れのあの曲を早く弾きたい!」という気持ちは素晴らしいですが、階段を一気に飛ばそうとすると、挫折の原因になります。
まずは初心者向けの本を何冊もこなして、少しずつ「できること」を増やしていきましょう。
※楽譜の具体的な読み方については、こちらの記事[♯32 初心者でも楽譜が読める方法]で詳しく解説しています。
まとめ

ピアノを始めるのに、遅すぎることはありません。
まずは88鍵の楽器を用意し、自分に合った優しい楽譜を見つけるところからスタートしましょう。正しい姿勢と手の形を意識して、毎日少しずつ音を奏でる楽しさを味わってください。
一歩ずつ進んでいけば、いつか必ず憧れの曲があなたの手から流れ出す日がやってきます。さあ、今日からピアノライフを楽しみましょう!
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筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。

