♯197 楽譜が読めない初心者こそ「ドレミ」を書くな!最短で譜読みをマスターする練習法


「楽譜が読めない。一音ずつ数えるのが苦痛で、ついドレミを書き込んでしまう……」

ピアノを始めたばかりの初心者にとって、五線譜に並ぶ黒い玉は、まるで解読不能な暗号のように見えるかもしれません。
しかし、早くスラスラ弾けるようになりたい一心で、すべての音符に「ドレミ」のルビを振ってしまう。

実はこれ、ピアノの上達において「もっともやってはいけないNG習慣なのです。

今回は、なぜドレミを書いてはいけないのか、そして忙しい大人が数週間で楽譜を読めるようになるための「最短ルート」を解説します。

筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。

楽譜が読めない最大の原因は「カタカナ」にある?

結論から言いましょう。楽譜が読めない最大の原因は、あなたの才能不足ではなく、「楽譜にドレミを書いてしまっていること」そのものかもしれません。

なぜなら、ドレミ(カタカナ)を書き込んだ瞬間、あなたの脳は「音符(たま)」を見るのをやめ、慣れ親しんだ「文字」だけを追うようになるからです。

これは、英語の教科書にすべて読み仮名を振っているのと同じ状態。
単語の綴りを見ずに音だけを追っていては、いつまで経っても英語が読めるようになりませんよね。

カタカナを読んで弾いている間は、譜読みの訓練を自ら放棄しているのと同じです。

新しい曲に挑戦するたびに、膨大な時間をかけて「書き込み作業」をしなければならない……。
そんな負のループから抜け出すには、今日から「ドレミを書く」という補助輪を捨てる勇気が必要です。

音符は複雑じゃない!「起点」を丸暗記するだけの攻略術

「補助輪を外せと言われても、やっぱり読めない……」と絶望する必要はありません。
音符の構造は、実は驚くほどシンプルです。
すべてを完璧に読もうとするのではなく、まずは「起点となる主要な音」だけを丸暗記してしまいましょう。

地図を見るときに、まず有名な駅やランドマークを探すのと同じです。

  • 真ん中の「ド」[ ★ ]
  • 高い「ド」と、低い「ド」[ ● ]
  • ト音記号の「ソ」(下から2番目の線)[ ■ ]
  • ヘ音記号の「ファ」(上から2番目の線)[ ▲ ]

まずはこの数箇所だけを、考えずにそらで言えるレベルまで暗記します
正直、これだけなら誰だって数分で覚えられると思います。

そこから先の音は、数える必要はありません。
楽譜は「線の上」か「線の間(はざま)」のどちらかにしか音符が置かれません。「線から次の線」へ移動したら、それは音を一つ飛ばした(3度)の関係です。

例えば、線の上にある「ド」の次の線の上は「ミ」です。

この「一つ飛ばし」の視点を持つだけで、視覚的に音を捉えるスピードは劇的に上がります。

リズムの壁は「叩く」ことで突破する

譜読みと並んで初心者を悩ませるのが「リズム」です。
しかし、リズムそのものの構造は決して難しくありません。

本当に難しいのは、「音を読みながら、左右別々の指を動かし、さらにリズムも守る」というマルチタスクを同時にこなそうとすることです。

まずは「指を動かす」作業を切り離し、リズムだけに集中する時間を持ちましょう

おすすめは、メトロノームを使ったタッピング練習です。
メトロノームを4分音符(例えばテンポ60)で鳴らし、膝を叩いてみてください。

  1. 4分音符で叩く(タン、タン、タン、タン)
    メトロノームの音とまったく同時に叩く
  2. 8分音符で叩く(タタ、タタ、タタ、タタ)
    メトロノームが一回鳴るごとに均等に2回叩く
  3. 16分音符で叩く(タタタタ、タタタタ……)
    メトロノームが一回鳴るごとに均等に4回叩く

ここで注意したいのが、16分音符(細かい音符)が出てきた後の8分音符や4分音符が速くなってしまうパターンです。
私の生徒さんでも、16分音符が出てきた後そのままの音の間隔で8分音符や4分音符を弾いてしまう子が非常に多いです。

メトロノームの刻みは一定のまま、その「枠」の中に正確に音を詰め込む感覚を、鍵盤を弾く前に体で覚えてしまいましょう。

忙しい現代人のための「全振りしない」譜読み術

私はもともと記憶力が良い方でしたが、それでも楽譜をスラスラ読めるようになったのは、圧倒的な数の曲をこなしてきたからです。

いわば「ピアノに人生を全振り」した時期があったからこそ、今の私があります。

しかし、仕事や家事に忙しい現代人の皆さんに、同じような修行を強いるのは現実的ではありません。
だからこそ、「効率」を重視してほしいのです。

  • ドレミを書かずに、あえて「迷う時間」を作る。
  • 起点となる音から「一つ飛ばし」で推測する。
  • リズムは先に体で刻んでおく。

このステップを意識するだけで、譜読みのスピードは数週間で劇的に変わります

最初は1小節読むのに時間がかかっても構いません。
脳が「音符の形」と「鍵盤の位置」をダイレクトに結びつけ始めたとき、景色がパッと開ける瞬間が必ずやってきます。

まとめ:楽譜は「読む」ものではなく「慣れる」もの

楽譜を読むのは、決して特別な才能ではありません。
これまで「ドレミ」を書き込んでいた時間を、少しだけ「音符を眺める時間」に変えてみてください

「楽譜なんて、数週間あればあっという間に読めるようになる」

そう信じて、真っさらな楽譜と向き合ってみましょう。

楽譜が読めるようになれば、あなたのピアノライフはもっと自由で、もっと楽しいものになります。今日から、その第一歩を踏み出してみませんか?

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筆者プロフィール:

4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。


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