「昔ピアノを習っていたけれど、今はすっかり離れてしまった」
「もう一度弾いてみたいけれど、今さら遅いかな……」
そう思っている大人の方は、とても多いです。
ですが結論から言うと、ピアノを再開するのに“遅すぎる”ということはありません。
むしろ大人だからこそ、音楽の感じ方や曲への理解が深まり、以前よりも豊かに楽しめることが多いのです。
4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名以上にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、
「ピアノを再開することで得られる5つの喜び」と、「続けるためのコツ」をお伝えします。
① 子どもの頃にはなかった「理解力」で音楽が見える
大人になると、楽譜の構造や作曲家の意図を理解する力が高まっています。
たとえば、モーツァルトのソナタを弾くとき、当時はただ「きれいな曲」と思っていたものが、今では「この部分は明るい調の中に少し切なさがある」と感じられる。
音楽の背景や形式を知ることで、演奏がより深く、味わいのあるものになります。
② 無理なく、自分のペースで進められる
子どもの頃は「発表会までにここまで弾けるように」といった目標に追われがちでした。
ですが、大人になってからのピアノは自分のペースで楽しめます。
毎日少しずつでも続けることで、少しずつ確実に手がなじんできます。
たとえば、1日15分だけでもピアノに触れる。
通勤中に楽譜を眺めたり、電車の中で指の動きをイメージしたりするだけでも立派な練習です。
「練習できなかった日」より、「今日も少しだけ弾けた」を積み重ねていきましょう。
③ 「弾けるようになった!」という達成感がモチベーションになる
ピアノは、小さな成功体験の積み重ねです。
「昨日よりスムーズに弾けた」「前より音がきれいになった」——そんな瞬間が、再開後のモチベーションになります。
たとえばショパンの「ワルツ」や、ドビュッシーの「アラベスク」など、憧れの曲を少しずつ完成させていく過程には、何歳になっても喜びがあります。
1曲仕上げたときの達成感は、子どもの頃とは比べものにならないほど大きいです。
④ 音楽が日常に彩りを与えてくれる
ピアノを再開すると、生活の中に「音楽を聴く時間」「自分と向き合う時間」が自然と増えます。
忙しい毎日の中でも、ピアノの前に座ると気持ちが整う——そんな経験をする方も多いです。
音を出すことで感情が整理され、リフレッシュやストレス発散にもつながります。
クラシック以外にもポップスや映画音楽など、好きなジャンルを自由に選べるのも大人の特権です。
⑤ 仲間や先生とのつながりができる
ピアノは一人で楽しめる趣味ですが、再開をきっかけに教室やサークル、発表会などで人との交流が生まれることもあります。
同じように「久しぶりにピアノを再開した」という仲間と話す時間は刺激的です。
また、先生のレッスンを受けることで、練習の方向性が明確になり、独学よりもずっと上達が早くなります。
私の生徒さんにも、大人の方がたくさんいらっしゃいます
私は、音楽教室で大人の生徒さんを何人か教えています。
大人になって初めてピアノを始めた方もいますし、子どもの頃に少し習っていて再開された方も多いです。
いずれの皆さんにも共通するのは、「ピアノを弾くのが好き。音楽が好き。」ということ。
取り組む曲はそれぞれのレベルに応じて異なりますが、みなさん一生懸命取り組んでいらっしゃいます。
朝、お仕事前に5分~15分程度練習されている方もいて、私も見習いたいと思うぐらいです。
大人になってもピアノをやらている方は、好きなことに対してまっすぐで、キラキラしているように見えます。
それは、とっても素敵なことです。
そのサポートが少しでもできたらと、私は思っています。
まとめ|ピアノは何歳からでも、再び始められる
ピアノは、年齢に関係なく始められる楽器です。
むしろ大人になってからの方が「音楽の本当の楽しさ」に気づけることが多いもの。
完璧を目指すより、
「今日の音が気持ちよかった」
「この曲が好き」
と感じられる瞬間を大切にしましょう。
再開を迷っている方は、まずは一曲、子どもの頃に弾いた曲を開いてみてください。
そこから、音楽の喜びがもう一度、あなたの中で鳴り始めるはずです。
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