♯27 スケール・アルペジオどう弾く?

ピアノ教育

間違った演奏方法はピアノの上達を妨げる

楽器を演奏するときに間違ったやり方で練習してしまうとそれが癖となってしまい、演奏の上達を妨げることがあります。

それぞれの楽器に合った演奏方法は必ずあります。

今回は「スケール(音階)」「アルペジオ(分散和音)」の正しい弾き方に焦点をあてて解説します。

この記事でわかること

曲のなかにもたくさん出てくるスケールやアルペジオの正しい弾き方が分かります。

結論:スケールのときは手首をひねらない。アルペジオのときは手首をやわらかくして指でしっかりつかむ。必ずしもすべての音を指でつなげる必要はなし。

スケール・アルペジオどちらも共通して言えるのは、手首は鍵盤に対して平行に動かすこと。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

スケール

指くぐりのとき手首ひねらない

ハ長調を例にとってみます。

ハ長調の音階は「ドレミファソラシド」です。

指使いは「12312345」が一般的です。(というか、必ずこの指使いを使用します)

3で弾くミの次に、1でファを弾く

親指をくぐらせるその見た目から、この動きを「指くぐり」とピアノ教育界では呼んでいます。

この指くぐりのときの手首の使い方が、スケールを弾くときのポイントになります。

指くぐりをするときに、手首はひねらない。

親指だけを内側に曲げた状態で、次の音につなげていく。

ちょうど数字の4を手で数えているときのように、親指だけを曲げた状態で後の指は軽く曲げる、くらいが一番良い形です。

手首をひねってしまう人は、くぐらせるときに親指が届かないから手首を持ち上げてなんとか指を持っていこうとしているのだと思いますが、親指(1の指)を内側にしっかり曲げていれば、手首をひねらずともちゃんと届きます。

手首をひねってしまうと、今後スケールを速く弾いたりするときにいちいち手首を上げ下げすることになってしまいます。

そうすると手首に負荷がかかるだけでなく、無駄な力と動きが生じます

年齢が小さいうちから正しいフォームで取り組むことがとても大切です。

アルペジオ

無理に指でつなげようとしない

アルペジオとは、日本語で「分散和音」という意味で、その名の通り和音が分散された形です。

ハ長調を例にあげると「ドミソドミソドミソドミソ・・・」という感じです。

〈例1〉ハ長調のアルペジオ(構成和音はドミソ)

指使いは「1231313123・・・」となります。

青マーカーの「31」の指が来るところに注目していただきたいのですが、ここは指でつなげようとするとスケールと同様、ひじが開いて手首をすごく右に持ってこなければなりません。

そうすると手首にものすごく負荷がかかり、先ほどと同じように速く弾いたときにまごつく原因になります。

アルペジオはすべての音を指でつなげる必要なし。

指くぐり前の音をギリギリまで保って、そのまま手首ごと横(平行)にすばやく移動する。

ここでは、3の指で弾くソの音をギリギリまで指で保って、1の指で弾くドの直前に指を離して手首ごと横にすばやく移動することがポイントです。

こうすることで、実際は指が離れているけれどなめらかにつながって聞こえます

手首をやわらかくして指でしっかり鍵盤をつかむ

アルペジオは幅広い音域を移動するため、人間の手の可動域も広くしなければなりません。

そのために手首は固めず、常に柔らかくしておくのが大切です。

ですが、手首以外のところもゆるめてしまうと鍵盤がつかまえられず音がふらふらしてしまうため、指先はしっかり鍵盤をつかむ必要があります。

強靭な指とやわらかな手首、これを共存させるのはなかなか難しいことですが、必ず身につけてほしいテクニックです。

番外編:スケールやアルペジオで指の強化&音楽性の強化をはかりたい人向け

「スケールやアルペジオを弾く時に指も一緒に鍛えたい」

「ただ弾くだけではなく、もう少し先の練習をしたい」

という方は、以下の練習方法もおすすめです。

1.オールf(フォルテ)で弾く

2.オールp(ピアノ)で弾く

3.音型に合わせてクレシェンド、ディミヌエンドして弾く

オールf(フォルテ)で弾く

これは強い指を作るためにあえて負荷をたくさんかけるやり方です。

指は長かったり太かったりそれぞれ特徴が異なります。

それらの指を均等にすべてフォルテで弾くことで、指ごとの特徴に惑わされることなく強い指を育てることができます。

オールp(ピアノ)で弾く

実は、オールピアノで弾くのはとても神経を使う作業なので、繊細なコントロールができる指先を育てるのに大変有効的です。

だいたいこの作業をすると、どこか音が欠けてしまったり、「ぼん」と音が飛び出したりしてしまうことが多いです。

スケールやアルペジオという基礎的な動きで指先のコントロール力を鍛えることは、他の動きのときにも応用がききます。

音型に合わせてクレシェンド、ディミヌエンドして弾く

これは指の強化というよりは、音楽的に弾くためのトレーニングです。

私たちが作品を演奏するとき、オールフォルテやオールピアノで弾くことはそうそうありません。

必ず音型に合わせた強弱を細かくつけています。

「テクニックの練習だから」と音楽を後回しにするのではなく、音楽を作ることを見据えた練習も取り入れるべきだと私は思います。

具体的には、

・音型が上りだったらクレシェンド

・音型が下りだったらディミヌエンド

するといいでしょう。

まとめ

スケールやアルペジオを演奏(練習)する際のポイントを解説しました。

スケール

・指くぐりのときに手首をひねらない。

親指だけを内側に曲げた状態で、次の音につなげていく。

アルペジオ

・すべての音を指でつなげる必要なし。

指くぐり前の音をギリギリまで保って、そのまま手首ごと横(平行)にすばやく移動する。

・手首をやわらかくして指でしっかり鍵盤をつかむ。

★スケールやアルペジオで指の強化&音楽性の強化をはかりたい人は・・・

・オールf(フォルテ)で弾く

・オールp(ピアノ)で弾く

・音型に合わせてクレシェンド、ディミヌエンドして弾く

ことがおすすめです。

以上、参考になればうれしいです!

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