合唱伴奏をするのにも、コツがある
ピアノを習っている学生さんは、合唱祭や合唱コンクールで伴奏をすることもあるかと思います。
そんなとき、どのようなことを意識して伴奏していますか?
「○○さんのピアノ、すごく上手だよね。」
「○○さんの伴奏、すごく歌いやすい。」
せっかく伴奏をするのなら、こんなふうに言われたいですよね。
合唱伴奏で意識すべきポイントが簡単に分かります。
小学生の時から数多くの合唱伴奏をこなし、中学時代は一度の合唱祭で三つも伴奏を担当していた私が、合唱伴奏において意識すべきポイントをまとめてお伝えします。
これを読めば、あなたも伴奏上手と言われるはずです。
合唱伴奏が劇的に上手になるコツ8選
バス音をよく響かせよう
合唱伴奏において何よりも大切なのが、「バスの音を響かせること」です。
具体的にバスの音とは、左手の小指(5の指)で弾く最低音域の音です。
伴奏において大切なことは、歌を支えること。
低音がしっかりしていない合唱は、土台がしっかりしていない不安定な建物と同じです。
もちろんバランスを見る必要がありますが、まずバスの音を響かせて安定させることが大事です。
軽いタッチではなく、太くずっしりした響きを作りましょう。
前奏・間奏・後奏は念入りに練習しよう
歌がなくなり、ピアノ一人になる前奏・間奏(歌と歌の間をつなぐ音楽)・後奏はいやでも目立ちます。
そこのピアノが上手ではないと、一気に感動が薄れ、しらけてしまいます。
伴奏のもうひとつ大事な役割としてあげられるのは、主役である歌をより一層引き立てることです。
ピアノ一人になったとたん場をしらけさせてしまっては、せっかくの素敵な歌が台無しです。
・細かい動きや弾きづらいところはよく練習する。
・自分が主役だと思って大胆に弾く。(×控えめ)
・右手のメロディーは伸びやかな音で、遠くまで飛ばす。
これらを意識して、前奏・間奏・後奏を弾きましょう。
歌が一瞬なくなる合いの手は、前に出よう
前奏や間奏、後奏ではなく、歌が一瞬なくなる間合いがあります。(4分音符一個分とか)
そんなとき、右手に合いの手のような、歌にはないメロディーが差し込まれていることがあります。
そんなときは、先ほどから言っているように、歌(主役)の合いの手として前に出ましょう。
具体的にはそのメロディーだけを少し大きく弾きます。
こうすることで、立体的かつ魅力的な音楽づくりにつながります。
歌が始まってすぐは、静かに和音を刻もう
歌が始まってすぐのところは、静かな音楽であることが多いです。
ピアノパートも、たいてい和音を刻んでいるだけのことが多いです。
そこでがんがんピアノが弾いていると、雰囲気を壊しかねません。
ピアノは必ず歌(主役)の背後にまわってP、もしくはmpで演奏しましょう。
曲が一番盛り上がるところはピアノで助けよう
どんな曲にも一番盛り上がるところがあります。
歌だけが盛り上がってピアノが「しん」としていたら、とてももったいないです。
むしろ、いかにピアノで盛り上げるかが大切です。
始めは後ろで静かに和音を刻んでいたけれど、徐々に盛り上げて、曲のピークにきたらドラマチックかつダイナミックに演奏しましょう。
その際気を付けることは、主役をかき消さないこと。
あくまでも一緒に音を鳴らすときは歌が主役なので、ピアノがそれをかき消さないようにしましょう。
歌のメロディーと重なるところは静かに弾こう
歌と同じメロディーをピアノの右手で同時に演奏することがあります。
やはり歌が主役でピアノは脇役なので、同じメロディーを演奏する際は静かに弾きましょう。
ピアノは歌に「この音だよ。」と示すくらいで、わざわざそれ以上主張する必要はありません。
転調を意識しよう
だいたいの曲は、途中で調子(調性)が明るくなったり、暗くなったりします。
これを転じる調という意味で「転調」といいます。
転調の際に音が変わらず、前と同じままの雰囲気で弾いてしまうと、単調で平坦な音楽になってしまいます。
暗くなったらピアノの音もくもらせて、明るくなったらピアノの音も輝かせて、場面に応じて音色を変えましょう。
具体的にどうやって変化をくわえたらいいかわからない人は、音楽の雰囲気を感じてイメージするだけで大丈夫です。
それだけでも、音は変わります。
ペダルを効果的に使おう
合唱伴奏においてペダルの役割はとても大きいです。
ペダルは、必ず使用しましょう。
ソロ曲と異なり、合唱のピアノパートはそんなに複雑な動きはなく和音を刻んだり、分散和音(※和音を分けて演奏すること)で弾くことが多いです。
和音が変わるごとに(大体は一小節ごと、もしくは半小節ごと)ペダルを踏みかえましょう。
ペダルを踏む加減は、浅すぎず深すぎないほうがいいです。
ペダルが深すぎると響き過多になり、音の洪水になってしまうので注意が必要です。
ペダルを踏むことによって冒頭でお伝えした「バス音を響かせる」ことにも有効的な作用をもたらします。(ペダルがバスの音をより魅力的に響かせてくれる)
まとめ
合唱伴奏における重要なポイントをお伝えしました。
・バス音をよく響かせよう
・前奏・間奏・後奏は念入りに練習しよう
・歌が一瞬なくなる合いの手は、前に出よう
・歌が始まってすぐは、静かに和音を刻もう
・曲が一番盛り上がるところはピアノで助けよう
・歌のメロディーと重なるところは静かに弾こう
・転調を意識しよう
・ペダルを効果的に使おう
これらは、意識すればすぐに実践可能なものばかりです。
合唱伴奏をする際は、ぜひ今日の内容を意識して取り組んでみてください。
劇的に伴奏が上手になるはずです♪
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