ピアノを続けていると、「あのときピアノを辞めなくてよかった」と思える瞬間があります。
それは、思い通りに演奏できたときでも、コンクールで結果を出せたときでもなく──
人との出会いに恵まれたときです。
ピアノを通じて出会った人たちは、私にとって“音の縁”で結ばれた大切な存在です。
音楽を続ける理由のひとつは、そんな人とのつながりにあるように思います。
4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名以上にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、
「ピアノがわたしにくれた人とのつながり」についてお話したいと思います。
ピアノがくれた“特別なつながり”
ピアノは一見、ひとりで向き合う孤独な楽器のように見えます。
ですが、実際はたくさんの人との関わりによって音楽が成り立っています。
ピアノを教えてくださる先生、共演者、切磋琢磨する仲間、生徒さん、そして聴いてくださる方々──。
その一人ひとりが、音を通じて出会ったかけがえのない人です。
長くピアノを続ける中で感じるのは、「努力」だけでは到達できない瞬間があるということ。
思いがけない出会いが、自分の音を変え、人生を動かすことがあるのです。
共演で生まれる“音の対話”
演奏会での他楽器との共演は、まさに「音で会話をする時間」。
相手の呼吸を感じながら音を重ねた瞬間、言葉を超えた信頼が生まれます。
ソロのときには気づけなかった表現の引き出しが、
アンサンブルの中では自然と開かれていく。
「音楽って、人と一緒に作るとこんなにわくわくするんだ」と感じます。
共演者だけでなく、コンサートを聴きに来てくださるお客さんとの出会いも特別です。
演奏することは、お客さんとのコミュニケーションでもあります。
「また聴きたい」と言っていただけたとき、
音を通して心が通じたような温かい気持ちになります。
教えることで生まれた“もうひとつの出会い”
ピアノを教えるようになってからは、
生徒さんとの出会いの中に新しい発見がたくさんありました。
できなかったことができるようになった瞬間の笑顔。
「先生、今日はうまくいった!」という声。
そのたびに、私自身も初心を思い出します。
レッスンでは、できないところを責めるのではなく、
「そうだよね、そこ難しいよね」と共感しながら一緒に取り組むことを大切にしています。
ピアノはひとりで頑張るものと思われがちですが、
誰かと一緒に悩み、励まし合う時間こそが上達の原動力になります。
音楽が教えてくれた「仲間の大切さ」
ピアノを通して出会った人たちは、私の人生を豊かにしてくれました。
技術や表現だけでなく、「仲間」という存在の大切さを教えてくれたのも音楽です。
音楽を通じて出会った仲間は、私にとって本当に大切な存在です。
ときに良き相談相手、ときにライバル、ときに教え・教わる関係にもなる。
その存在がいたからこそ、私はここまで来られました。
ピアノを続ける中で出会うご縁は、偶然のようで必然。
どれも、音が導いてくれた大切なつながりです。
音楽人生を変えた出会い|筆者の経験談
私が音楽を通して関わってきた人たちは、本当にかけがえのない宝物です。
そして、これまでその方たちにたくさん支えられてきました。
「この先生に出会わなかったら今の自分はいない」という先生が何人もいます。
そのなかでも私にとって大きな転機だったのは、東京音楽大学への入学でした。
当時別の大学への入学を目指していましたが、東京音楽大学に入学して結果的によかったと思っています。
なぜなら、そこで出会った先生方のおかげで、音楽に対する考え方も技術も、なにもかもが私の中で大きく変わったからです。
私は、その先生方に出会えていなかったら、まったく別の人生を送っていたと思います。
具体的にいうと、
・ピアノの弾き方(体の使い方や指の使い方)
・音楽への向き合い方
・幅広い知識
・本当の意味での音楽への理解
こういったものを授けていただきました。
誰と出会うかで、人生はこんなに変わるんだと思いました。
私もだれかにとってそのような人でありたいと願っています。
まとめ|ピアノは“人をつなぐ楽器”
ピアノは決して孤独な楽器ではありません。
むしろ、人との縁をつくる楽器です。
音を通して出会い、学び合い、励まし合う。
その一つひとつのつながりが、私の音を育ててくれました。
これからも、どんな出会いが待っているのか。
そう思うと、またピアノの前に座りたくなります。
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