楽譜に書き込むと上達が早くなる?
ピアノを練習していて「どこを気をつければいいのか忘れてしまう」「同じところで何度も間違えてしまう」という経験はありませんか?
そんなときに役立つのが、楽譜への書き込みです。
色を使って注意点を強調したり、イメージを書き込んで表現に役立てたりすることで、練習の効率がぐっと高まります。
さらに、先生用に別の楽譜を用意して指導内容を整理すれば、レッスンで学んだことを見返しやすくなります。
この記事では、4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名にピアノを教え現役で演奏活動を続ける筆者が、ピアノ練習における「楽譜への書き込み方法」について、具体的な工夫やメリットをご紹介します。
色分け・イメージ・コピー譜活用で変わる!楽譜への書き込み術
色分けで視覚的にわかりやすくする
楽譜に書き込みをするとき、一番手軽なのが色ペンの活用です。
- 指使いは、赤
- 強弱や表現は、青
- リズムの注意点は、緑
といったように、カテゴリーごとに色を決めておくと、練習中に一目で理解できます。
ただし、あまり多くの色を使うと逆に見にくくなるため、3〜4色に絞るのがおすすめです。
イメージを書き込んで表現をふくらませる
演奏は「ただ正しく弾く」だけではなく、表現をどうつけるかが大切です。
たとえば、柔らかく歌いたい部分には「なめらかに」「小川の流れのように」と書き込んでおくと、音のイメージを持ちながら弾けます。
感覚的な言葉を書き込むのは少し恥ずかしいかもしれませんが、自分の演奏に直結する大きなヒントになります。
イメージが思い浮かんだら、忘れないように楽譜にメモしましょう。
レッスン用に別の楽譜を準備する
生徒さんの中には「先生に言われたことを忘れてしまう」という悩みを持つ人も少なくありません。
そんなときは、レッスン専用のコピー譜を用意して、先生に指摘されたことをメモするのがおすすめです。
演奏用の楽譜はすっきりさせておき、レッスン譜には細かい注意を集中的に書き込む。
この二段構えをすると、練習のときに混乱せず、必要に応じてチェックができるようになります。
コピー譜に書くか、楽譜そのものに書くか
「コピー譜に書き込むべきか、それとも楽譜そのものに書くべきか」は迷うポイントです。
- 長く使う楽譜(バッハのインヴェンションやハノンなど基礎教材)はコピー譜に書き込む
- 一度きりの曲や短期間で仕上げる曲は楽譜そのものに書き込む
といったように、目的や使用期間に応じて使い分けるのがおすすめです。大切に使いたい楽譜は綺麗に残しつつ、練習効率も高められます。
楽譜もしくはコピー譜に書き込むメリット・デメリット
〇楽譜に直接書き込むメリット:
いちいちコピー譜を探さなくてもひとつにまとめらていて、後から見返しやすい。
×楽譜に直接書き込むデメリット:
持ち歩くのが重い。一回書き込むとまっさらな楽譜がほしいときに困る。
〇コピー譜に書き込むメリット:
必要に応じて分けて書き込むことができる。先生によって楽譜を変えられる。持ち運びが軽い。
×コピー譜に書きこむデメリット:
コピー譜だけで膨大な量ができる。管理が大変。コピー代がかかる。
私はこうしています
私は、大学に入るまではすべて楽譜に書き込んでいました。(先生からのご指摘内容も)
高校生の時は、ベートヴェンのピアノソナタのヘンレ版(楽譜の種類)を持ち歩いていて、とても重かったのを覚えています。(あれだけでいったいどのくらいの重さがあるのでしょう!)
大学に入ってからは、先生からの指定で全部コピー譜になりました。
レッスンには、自分用と先生用で2部コピー譜を用意して持っていきます。
最近は自分用の楽譜はiPadにして、先生用の1部のみコピー譜にしています。
何回もレッスンを受けていると書き込みがとても多くなってしまって、頭もごちゃごちゃになるので、同じ曲でもあたらしくコピーし直してもいました。
コピー譜にしてよかったと思ったのは、生徒にピアノを教えるようになってからです。
なぜなら、発表会で生徒が新しく曲をやる際の楽譜を渡すのに、自宅にある楽譜をコピーするだけで済むからです。
書き込みがある楽譜しかないと、そういったまっさらな楽譜を欲しいときにもう一冊買わなければなりません。
「楽譜に直接書き込む前にすべてPDF化なりデータ化してしまうのが、一番効率がよいかも?」と私は思います。
まとめ
楽譜への書き込みは、ただのメモではなく、自分だけのオリジナル教材を作る作業です。
色分けで視覚的にわかりやすくし、イメージを書き込んで表現力を高め、さらに先生用と演奏用で楽譜を使い分けることで、練習効率がぐっと上がります。
「書き込みすぎて楽譜が真っ黒になってしまう」という人もいますが、それはそれで努力の証。
書き込みを味方にして、ピアノの練習をもっと楽しく、効率的に進めていきましょう。
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