♯50 音大受験に必要な準備とは?合格を目指すための実技・勉強・心構え

ピアノ教育

音大受験を目指すとき、多くの受験生が「どれくらい練習すればいいの?」「楽典や聴音は独学で足りるの?」と不安を感じます。

実技が重視されるのはもちろんですが、それ以外にも幅広い準備が求められます

さらに、志望校で学びたい先生のレッスンを受けることも、合格に大きく近づく重要なステップです。

この記事では、4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、音大受験に必要なことを整理し、合格を目指すための実力と心構えについて解説します。

実技力を磨くことが最優先

音大受験で最も重視されるのは、やはり実技です。

ピアノ専攻の場合、課題曲や自由曲でその人の音楽性・技術力・表現力が試されます。

単に「間違えないで弾く」ことにとどまらず、

・どれだけ楽譜から音楽を表現しているか

・技術・表現・音楽性の完成度が高いか

で評価されます。

受験曲は数か月以上前から準備し、仕上げていく必要があります。

練習は「量」だけでなく「質」が大切です。

特に受験で用意する曲は多いので、毎回の練習を実りあるものとする必要があります。

先生からの指摘をすぐ反映させる、課題を自分でみつけるなど、効率的に力をつけていきましょう。


ソルフェージュと楽典の基礎力

実技と並んで欠かせないのがソルフェージュ(視唱・聴音)と楽典です。

  • 視唱:楽譜を初見で正しく歌う力
  • 聴音:聴いた音を楽譜に書き取る力
  • 楽典:音楽理論の基礎知識

これらは受験対策だけでなく、入学後の授業についていくための必須スキルです。

もちろん試験において重視されるのは実技ですが、これらの科目で足をひっぱらないように、しっかりと準備しましょう。

聴音の問題を扱っているサイトもあるので、独学での練習は可能です。

どれも一朝一夕で身につけられるものではないため、早めの準備がカギとなります。


学科試験と一般教養

学校によっては、国語や英語など一般科目の試験も課されます。

実技がメインとはいえ、最低限の学力がないと合格できないこともあります。

音大を目指す場合でも、日頃の学習をおろそかにしないようにしましょう。


入りたい大学の先生のレッスンを受ける

音大受験を考えるうえで大切なのが「志望大学の先生に習う」ことです。

なぜなら、入試ではその大学の教授・講師陣が審査を行うため、どのような音楽観や演奏スタイルを重視しているかを事前に理解しておくことが有利になるからです。

また、実際にレッスンを受けることで、自分と先生との相性を確かめることもできます。

多くの音大では公開講座や夏期講習、個別レッスンの機会があります。

早めにアプローチして「どんな準備をすればよいか」を直接指導してもらうのが合格への近道です。


心構えと日常生活

受験期はどうしても不安や緊張がつきまといます。そのために必要なのが日常的な心構えです。

  • 練習を毎日の習慣にする
  • 睡眠・食事など健康を整える
  • 模擬演奏や録音で「人前で弾く経験」を積む

本番で緊張するのは当たり前。

日頃から舞台を想定した練習を重ねておくと、当日も落ち着いて実力を発揮しやすくなります。

私の音大受験体験談

楽典や視唱、聴音は小さいときから触れていて、音高でも習っていたためさほど苦労しませんでした。

やはり大変だったのは、実技試験の準備です。

どんなにソルフェージュの試験の成績がよくても、実技の成績が悪かったら試験は合格できません。

音大に行くことは高校を入った時点から想定していましたが、実際に音大受験用の曲を用意し始めたのは、試験のおよそ1年前くらいだったと思います。

週1ペースで、入りたい大学の先生のレッスンにも通っていました。

学校がある日は朝練をして放課後は夜まで練習し、学校のない日は朝から晩まで練習。

先生が開いてくれる試演会(その先生に習っている生徒たちが弾きあう会)に積極的に参加し、本番を想定した練習も多く積みました。

試験当日は早めに会場に到着し、心を落ち着かせるための準備もしました。(↓以下参考記事)

こうした準備が、音大合格へつながったと思います。


音大受験には、演奏技術・ソルフェージュ・楽典・一般教養、さらに心構えや先生選びまで、幅広い準備が求められます

特に「志望大学の先生にレッスンを受ける」ことは、合格だけでなく入学後の学びを円滑にするためにも欠かせません。

いずれもすぐに身につくものはありませんが、早くから少しずつ積み重ねていくことで確実に力になります。

自分の音楽を表現できる舞台に立つために、計画的に準備を進めていきましょう。

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