♯48 録音で演奏力アップ!自分のピアノを客観的に聴く練習法

練習・演奏方法

録音は最高の先生!ピアノ練習に取り入れるメリット

ピアノを練習していると、「ちゃんと弾けているはずなのに、先生に注意される」「自分では気づかなかったクセがある」と感じたことはありませんか?

そんなときに役立つのが「録音して自分の演奏を聴くこと」です。

録音を通して聴き返すと、弾いているときには気づけないテンポの揺れ、音のバランス、表現の不自然さなど、客観的に見直すことができます。

4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける私が、録音を練習に取り入れるメリットと、具体的な活用法をご紹介します。

録音で演奏を客観的にチェックする方法

録音する機械と設置する場所

録音する機械

録音する機械は、身近にあるものでいいと思います。

昔はコンパクトな録音機器を用いている人も多かったですが、最近はスマートフォンが発達しているので、そちらで録音が可能です。

スマートフォンを持っていない方は従来の録音機器を使いましょう。

設置する場所

ピアノから少し離れた位置に置くのがおすすめです。

実際に誰かに演奏を聴かせるとき、ピアノのすぐそばで演奏を聴く人はいません。

空間にどのように響いているかを確認するために、音が響くであろう少し離れた場所に置くように心がけるとよいです。

練習室での録音であまり広い部屋ではなかった場合は、できる限りピアノから離すようにしましょう。

ピアノとの距離が近すぎると、音割れの原因にもなります

録音すると見えてくること

全体のテンポ感やフレーズの間延び感

ピアノを弾いている時はどうしても一生懸命になりがちです。

引きの視点での確認はとても重要です。

特に、テンポやフレーズのもっていき方は、録音して聴いてみると自分が思っているものと異なることが多いです。

・テンポが走ったりしていないか

・フレーズは自然にまとめられているか

必ず確認をしましょう。

ペダルのにごり

ピアノを弾いている時気をつけていると思いますが、案外思わぬところでペダルがにごったりしているものです。

特に初心者の方はペダルのにごりが起きがちなので、録音して確認すると「ペダルがにごっている」ということに気がつきやすいでしょう。

左右や声部ごとのバランス

10本の指をコントロールして音を出すことは、難しいです。

ましてやバランスを取ろうとすると、思うように指が回らない人もいるでしょう。

ですが、まずはバランスが取れていないということに気がつくことが大切です。

・メロディーに対して伴奏の方が大きすぎはしないか

・出したい声部が出ているか、他の声部は弱すぎないか、強すぎないか

こういった視点で聴くのにも、録音は優れています。

具体的なミスや暗譜忘れの箇所

短い曲なら間違えたり音を忘れてしまったところも覚えていられると思いますが、曲が少し長くなってきたりするとどこを間違えたのか忘れてしまいます

忘れてしまうと、どこを再度確認しなければならないのか分からなくなります。

ですが、録音でミスや暗譜忘れの箇所をチェックすることで、ひとつずつ確実に確認して直すことができます

なんとなく「間違えてしまったなあ。」で済まさないためにも録音を使いましょう。

自分が出したいと思っている音と同じかどうか

この音楽はこんなふうに演奏したい、と思うのはです。

それを指でアウトプットして耳で確認することで、頭の中の理想の音と現実の音が同じかが分かります。

ピアノを弾きながらだと感情で弾いてしまって冷静に聴けていなかったりするので、録音することで想像していた音を出せていたか確認するようにしましょう。

100%自分が理想としていた音が出せているというのは、プロをのぞきまれかと思います。

表現の自然さ(表現が大きすぎる・小さすぎる強弱)

自分では書いてあるとおりに音を出したつもりでも、全体を通して客観的に聴いてみると不自然な表現や強弱で弾いていたりすることがあります。

作曲家が書いた「フォルテやピアノ」といった強弱記号は、あくまでも目安でしかありません。

作曲家が書ききれなかった意図が必ずあります。

書いてあることだけにとらわれないで、録音で前後の流れを確認しながら適切な表現や強弱をつけるようにしましょう。


録音するタイミング

通し練習のときに録音する

通しの練習のときに録音することで、全体的な流れを確認しながら表現や強弱を確認することができます。

また、緊張感のあるなかで録音をすると、本番を意識した通しの練習にもなります。

完成前の段階でも部分的に録音する

完璧になってからではなく、練習途中から録音することで成長の過程も見えます

部分練習に録音を取り入れることで、その箇所と徹底的に向き合うことができます。

複数回録音して比べる

数日おきに録音すると、改善できているかどうかがわかります。

ただ録音するのではなく、必ず改善点を見つけてから撮り直すようにしましょう。


録音をどう活かすか

・楽譜を見ながら聴いて、気になったところを書き込む

・録音で気づいた改善点を取り出して部分練習

・改善後に再び録音して比較

こうすることで、ただ「聴いて反省」で終わるのではなく、成長を確認しながら練習ができます。


まとめ|録音は自分の演奏を客観的に映す「鏡」

録音は、演奏中には気づけないクセや改善点を教えてくれる、まさに「音の鏡」です。

自分の音を客観的に聴き返すことで、テンポやバランス、表現の自然さなど、演奏の質を一段と高めることができます。

「録音して聴く」という一見シンプルな習慣でも、毎回新しい発見があり、確実に成長につながります。

ぜひ日々の練習に録音を取り入れて、自分の音楽をさらに磨き上げていってください。

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