♯39 【ピアノコンクールに挑戦】結果より大切な学びとステップアップのヒント

ピアノ教育

ピアノを学んでいると、「コンクールに挑戦してみたい」と思う瞬間があるかもしれません。

入賞や結果ももちろん大切ですが、実際には「運」の要素も大きく、気にしすぎてしまうとピアノそのものが苦しくなってしまいます。

むしろ大切なのは、コンクールを通してどんな学びを得て、自分の音楽にどう活かしていけるかです。

この記事を読むと分かること
  • コンクールを受ける意味や学び方が分かり、不安を前向きな気持ちに変えられる
  • 結果だけにとらわれず、成長につながるコンクールの活用法が理解できる
  • 他の参加者の演奏から学びを得て、音楽の幅を広げられる

4歳からピアノを始めて音高・音大と進み、約30人の生徒にピアノを教えながら現役で演奏活動を続ける私が、コンクールに挑戦するメリットや心構え学びを深めるポイントについてご紹介します。


ピアノコンクールに挑戦するメリット

明確な目標ができるから、練習の質が上がる

「コンクールでこの曲を弾く!」と決まると、練習の目的がはっきりします

ただ何となく練習を重ねるよりも、細かい部分まで仕上げようという意識が高まり、練習の質も上がります。

また、いつもは弾けたらおしまいになっていたけれど、一曲と深く向き合うことで表現の幅や音楽に対する思考を深められます。

「音楽はこうやって作るんだ」と深い学びにつながります。

人前で弾く経験が自信につながる

コンクールは、人前で演奏する貴重な機会です。

緊張する中で舞台に立ち、演奏をやりきることで「次も頑張ろう」という自信につながります

発表会でも同じ効果が得られますが、コンクールという独特な緊張感で弾き切るのは、また別の効果があると思います。

私たちがピアノを弾くのは、本来だれかに聴いてもらうためです。

人前で演奏して自信を持つことで、ピアノに対してより積極的に取り組めるようになります。

審査員や他の人に聴いてもらう機会になる

普段は先生や家族だけに聴いてもらうことが多いですが、コンクールでは審査員や他の参加者にも聴いてもらえます。

違う視点からの評価や感想は新しい気づきにつながり、学びを深めるチャンスになります。

複数人の人からアドバイスをいただける機会は、コンクールを置いて他にはありません。


コンクールを受ける際に心にとめてほしいこと

コンクールの結果には「運」の要素もある

同じ演奏でも、会場の響きや審査員の感じ方によって評価が変わることがあります。

弾く場所と審査員が変われば、異なる結果になってもおかしくありません。

そのため、点数や順位だけで「自分の価値」を決めないことが大切です。

いち結果に、一喜一憂してはいけません。

いい結果が残せなかったからといって、「私にはピアノを弾く才能がないんだ」なんて決して思い悩まないでください。

どうしても結果に振り回されてしまうという人には、コンクールを受けることはおすすめできません。

コンクールは実力勝負であることは間違いないのですが、「運」勝負でもあることを忘れないでください。

評価は一時的なもので、実力のすべてではない

コンクールの結果は、その日の一瞬の演奏を切り取ったものです。

本当の力は、日々の練習の積み重ねや音楽を続けていく姿勢の中にあります。

先ほど同様、いち結果に振り回されず、自分が音楽やピアノとどう向き合っていきたいかが大切です。

結果だけにとらわれて、その後の行動がおざなりになってしまったら何の意味もありません。

結果より「そこまでの過程」で成長している

本番に向けて曲を練習した日々や、細かい部分を工夫した経験こそが一番の学びです。

結果はその副産物にすぎません

もちろん賞がもらえたらラッキーですが、もらえなかったからといってコンクールを受けたという経験は、無駄にはなりません。

本気でピアノや曲と向き合った日々は、ひとつの結果がもたらしてくれるものよりも、あなたをもっと遠いところへと連れて行ってくれるでしょう。


コンクールを学びの場にする方法

準備の中で演奏の完成度を高める

コンクールにただ参加するだけでは意味がありません。

それでは記念お受験と一緒になってしまいます。

コンクールに参加するのなら、本気で取り組んでひとつないしはふたつの曲を仕上げることが大切です。

「もう弾けた」と思っても、さらなる高みを目指して試行錯誤を繰り返す。

これが、大きな成長へとつながります

ほかの参加者の演奏を聴くことで視野が広がる

コンクールでは、自分の出番以外の人の演奏を聴くことが、とても大切な学びになります。

同じ曲でも人によって解釈が違い、「こんな表現もあるんだ」と気づけるのは大きな財産です。

自分と同年代の子たちがどういう演奏をしているのか、しっかり自分の耳で聴いて良い刺激をもらい、感性を磨きましょう。

舞台経験が「本番力」を育てる

本番の緊張感は、練習では得られない経験です。

「100回の練習より1回の本番」といいます。

1回の本番を経験することは、100回の練習よりも勝る経験になるということです。

コンクールを重ねることで「緊張しても力を発揮する方法」を少しずつ身につけられます。


コンクールは、確かに結果も大切ですが、それ以上に 学びや成長のきっかけ になります。

  • 結果に一喜一憂しすぎないこと
  • 準備の過程や舞台経験を大切にすること
  • ほかの人の演奏から学ぶこと

これらを意識すれば、コンクールは「勝ち負けの場」ではなく、「音楽を深めるステップ」として大きな意味を持ちます。

結果よりも、自分が何を得て、どう音楽を続けていくか――それが一番大切なポイントです。

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