♯36 【初心者向け】ピアノ防音対策|賃貸でもできる工夫と注意点まとめ

練習・演奏方法

はじめに|賃貸でのピアノ、防音はどうする?

「マンションや賃貸でピアノを弾きたいけど、音が迷惑になりそうで不安…」

そんな悩みを持つ人は少なくありません。

こんなふうに思ってしまうと、思いっきりピアノを弾くこともできませんよね。

今日の記事はこんな人におすすめです。

・マンションや賃貸に住んでいてこれからピアノを始めたい人

・すでに家でピアノを弾いているが、近所の人に注意を受けてしまった方  等

結論:正しく対策を取れば、マンションでも賃貸でも音漏れを気にせずピアノの練習はできます。ですが対策によっては、練習効果や自分の耳の性能を損ねる可能性もあるので、注意が必要です。

4歳からピアノを始めて音高・音大と進み、約30人の生徒にピアノを教えながら現役で演奏活動を続ける私が、マンション・賃貸でのピアノ防音対策とその注意点をわかりやすくまとめました。


実際の防音対策と注意点

手軽に取り入れられる防音対策

マンションや賃貸の人が取り入れられる防音対策には、以下のものがあります。

  • 電子ピアノ+ヘッドホン
  • サイレントピアノ(消音ユニット付き)
  • 防音マット・パネル・カーテン
  • 簡易防音室(ヤマハ「アビテックス」など)

それぞれの予算と部屋の状態に合わせた選択が必要です。

電子ピアノ+ヘッドホン

ヘッドホンを使えば、周囲にほとんど音を出さずに練習できます。夜間の練習にも最適です。

サイレントピアノ(消音ユニット付き)

アコースティックピアノ(グランドピアノ等)に消音ユニットを取り付ける方法です。鍵盤の感触はそのままで、音を出さずにヘッドホンで練習できます。

コードをつなげば、演奏している音をコンポから流すことも可能です。

防音マット・パネル・カーテン

床や壁への振動を抑えたり、音漏れを軽減できます。特に厚手のカーテンや防音マットは手軽に取り入れやすいです。

簡易防音室(ヤマハ「アビテックス」など)

部屋の中に設置できる防音ブースです。設置・撤去が簡単で、集合住宅でも高い防音効果があります。低音や打鍵音は多少漏れますが、練習の幅がぐっと広がります。


注意が必要なポイント

ヘッドホン練習の落とし穴

ヘッドホンは使用しすぎると、耳が遠くなります

私が実際にそうなりました。(後ほど詳しく記載)

音楽をやる人にとって聴覚というのはとても大切な感覚器官です。

ヘッドホンを使用する際は、使用頻度に気をつけましょう

消音練習だけでは「響きの感覚」が育たない

これは、電子ピアノを使用している人、グランドピアノに付属している消音機能を使っている人への注意です。

そこから流れてくる音というのはあくまでも電子音であって、ピアノの生音ではありません。

ピアノの生音でしかつかめない「響きの感覚」というものがあります。

ただ指を動かす練習なら消音でも電子ピアノでも問題はないのですが、その先の「音を作る」という作業はやはり生音でしかすることができません。

結論から言うと、消音機能や電子ピアノは使用しつつも、なるべくグランドピアノなど生のピアノで練習する機会も作るのが、最善かと思います。

バランスが大切です。

防音グッズや簡易防音室の「過信」に注意

上記で説明した防音対策はあくまで音漏れを軽減するものであって、完全に音を遮断するものではありません。

防音グッズや防音対策に過信せず、対策を重ねていくことが重要です。

もし、まわりの方から注意を受けた際は冷静に対処し、次なる対策を講じましょう。


練習時間の工夫で快適に

防音室や消音機能を使っても、練習時間に気をつけることが大切です。

早朝や夜は家で静かに過ごされている方も多いので、練習は日中に行うのがよいでしょう

賃貸で音出しの時間にルールがある場合はそれをきっちり守り、ルールがない場合も自分で何時までとルールを決めることをおすすめします。

実際にあった防音による私のトラブル

ヘッドホンの使い過ぎで、一時期耳が遠くなる

中学生くらいの時に、夜練習するためにグランドピアノについている消音機能を使って、ヘッドホンをしながら練習していました。

ヘッドホンだとよく聞こえるので、快適に練習していました。

自分の耳に違和感を覚えるようになったのは、学校生活で友達と話をしている時です。

友達が話している声を一発で聞き取れないということがよく起こり、おかしいなと感じ始めました。

当時は自力で「ヘッドホンが原因かもしれない」と考え、ヘッドホンの使用を時々にすることにしました。

すると、自然にまた違和感なく会話ができるようになっていました。

医学的な根拠は分かりませんが、私が実際に感じたヘッドホンの多用による耳への弊害でした。

近所の方からの抗議→防音室を設置してもらう

私はマンション住まいで、下の階の人からピアノの音についてご指摘をいただいたこともあります。

当時は浪人生で、家で一日中ピアノを練習していました。

練習場所は、和室の部屋にピアノを置いていただけで防音対策を特に取っていませんでした。

趣味ではなく本気でピアノの練習に取り組んでいたので、大音量かつはた目にはよくわからない音楽を日中奏で続け、ある日ついに近所の方から注意を受けました。

音大浪人生ということで、練習できないのは死活問題。

早急に部屋のなかに防音室(ヤマハのアビテックス)を作ってもらうことになりました。(工事までの期間、家で練習できないという事態になりました)

防音室を作るのはけっして安い買い物ではなかったはずなので、設置してくれた親には感謝しています。

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こういったトラブルは、誰にでも起こりうることだと思います。

私も、もっと最初からなにか防音対策を取るべきだったと、今では感じています。


まとめ

家でピアノを練習しようと思うと、音の問題というのは必ず発生します。

賃貸やマンションだからピアノの練習をあきらめるのではなく、まわりの人への配慮をしながら適切な対策をして練習しましょう。

今回紹介した注意点も忘れずにいてください。

少しでもご自宅での練習が快適なものになればうれしいです。

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