本番におけるテクニックのひとつ
本番におけるテクニックにはさまざまなものがあります。
そのうちのひとつが、「ホールで弾く時のテクニック」です。
これを読んでくださっている方のなかに、普段から練習はずっとホールでしているという人はいますでしょうか。
おそらく大体の人が「No」だと思います。
ですが、私たちが人前で演奏することが多いのは、練習室ではなく「ホール」です。
練習通りに弾ければそれでOKではありません。
演奏する会場に合わせた「臨機応変な対応」が求められます。
・会場に合わせた演奏ができるコツを学べます。
ぜひこの記事を読んでいただいて、ホールに合わせた演奏ができるようになりましょう。
ホールで弾く時のテクニック
ホールで弾く時のテクニックには、いくつかあります。
1.一番後ろの席で聴いている人に届くように弾く
2.頭を上にあげて、自分の音が会場でどう響いているのか聴く
3.事前にホールの響きを確認する
4.練習の時から広い会場で弾くことを想像する
順番に解説します。
1.一番後ろの席で聴いている人に届くように弾く
これは、誰でもすぐに意識して変えられることです。
ホールにちょうど良い塩梅で自分の演奏を響かせるには、自分からもっとも遠い「一番後ろで聴いている人に届ける」ことが近道です。
一番後ろで聴いている人に届くように意識することで、自然とホールに合わせた演奏ができます。
「想像の力」を見くびってはいけません。
これらを意識するのとしないのとでは、演奏に大きな差が出てきます。
おじぎをするときに遠いところに座っている人を見つけて、
「あの人に届けよう」と思って演奏するのも効果的です。
2.頭を上にあげて、自分の音が会場でどう響いているのか聴く
演奏に集中すると、どうしても頭が下がり姿勢が前のめりになってしまいます。
そのような状態では、実際に自分が出している音がどのように会場に響いているか聴くことはできません。
まずは鍵盤から距離をとって頭をあげ、会場に響く自分の音に意識を向けることで、客観的に演奏することが可能です。
演奏しているときの作品への没入は必要ですが、聴衆や会場を意識しない演奏はただの独りよがりです。
別記事でもお話ししましたが、音楽は「コミュニケーション」です。
会場で聴いている人たちのことを意識して、自分の音を飛ばしましょう。
3.事前にホールの響きやピアノの状態を確認する
事前にホールの響きを確認することも効果的です。
リハーサルができるのであれば、そのとき確認。
コンクールや複数人が出る演奏会でリハーサルができないのであれば、少し早めに会場に行って他の人の演奏を聴く。
ピアノの状態を確認し、会場での響きを事前に確認することは、とても重要です。
例えば、コンクールでリハーサルができないとき。
他の人の演奏を聴いて事前にホールの響きを確認したところ、フォルテのときでもあまり音が飛んできていない人が多いと感じた。
それは、
・演奏している人たちが体が小さいからなのか
・ホールの広さを意識できていないからなのか
これらを何人かの演奏を聴くことで総合的に判断して、
「今日はあまり鳴らないピアノ(ホール)なのかもしれない」
ということを想定し、
自分が演奏するときは、耳で確認しながら「いつもより大げさに弾く」「いつもより大きく弾く」というふうに対処できると、とても良いです。
4.練習の時から広い会場で弾くことを想像する
ここからは、ホールではなく練習室でできる「会場を意識した弾き方」をお伝えします。
普段からホールのような広い部屋で練習できている人は、ごくごく一部でしょう。
私も普段の練習は、狭い部屋で行っています。
ですが、冒頭でもお伝えしたように、私たちが人前で演奏するのは必ずある程度広い会場です。
本番で会場を意識して即座にタッチを変えられる人は問題ないのですが、急に弾き方を変えられない人もいるでしょう。
そうならないために、普段の練習から広い会場を想像して練習することが大切です。
「今いる場所は狭いけれど、もしここがあの広いホールだったら・・・」
きっと弾き方が変わってくるはずです。
自分のタッチの種類を増やすためにも、ぜひ試していただきたいです。
まとめ
今回は、「ホールで弾く時のテクニック」をお伝えしました。
1.一番後ろの席で聴いている人に届くように弾く
2.頭を上にあげて、自分の音が会場でどう響いているのか聴く
3.事前にホールの響きを確認する
4.練習の時から広い会場で弾くことを想像する
これらを意識することで、本番でのあなたの演奏はもっと良いものになるはずです。
弾くことが大変でなかなか意識できないかもしれませんが、少しずつでもこういったテクニックも身につけていきましょう。
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