本番で崩れないメンタルの鍛え方
「本番」。それは、楽器を演奏している人にとって必ず訪れるものです。
「発表会」「コンクール」人前で演奏する機会は、すべて「本番」です。
「いつもはもっと弾けるのに。」
「緊張して力が出せなかった。」
本番後、こんなふうに思った経験はありませんか。
一朝一夕で本番に強い自分を作ることは、不可能です。
ですが、今日から強いメンタルづくりをすることは可能です。
そして、それはどんな人でも今すぐ実践できます。
私も本番で安定した演奏ができず、とても悩んだことがありました。
ですが、ある本に出会って考え方や行動を変えたことによって、本番に強い自分をつくることができました。
「いつも安定して弾けるよね。」
今ではまわりにこう言っていただけることも多いです。
私はなにをして変われたのか?
今回は、私が実際に取り組んだ考え方や行動をお伝えします。
ぜひ、この記事を読んで少しでも本番に強い自分を目指して行動していただきたいです。
メンタル強化法、10選
1.普段からポジティブな言葉を使う
メンタル強化には、やっぱりポジティブ思考が大切です。
それは思考だけではなく、表情や態度、口に出す言葉までポジティブにすることが重要です。
リスクを想定して準備することは大切ですが、ポジティブな心持ちがいざというときに自分を助けてくれます。
どうしても普段からネガティブにとらえてしまうという人は、まずは「笑顔」で過ごすことを心がけましょう。
2.今に集中する
皆さんの心が揺らいでしまうときはいつですか?
そして揺らいでしまう原因は何でしょうか?
一概には断定できませんが、それは「未来に不安を感じたとき」であることが多いです。
未来にばかり意識を向けて心を揺さぶられるのではなく、「今に集中」してみてください。
実際に「今に集中」と声に出すことも効果的です。
私は本番前に「失敗してしまうかもしれない」と不安にかられたら、笑顔をつくって「今に集中!」と唱えています。
「今を楽しみ、今に集中する」、難しいことかもしれませんが口に出すことは誰にでもすぐに実践できるので、ぜひやってみてください。
3.本番を特別にとらえない
皆さん、「本番」はいつのことだと認識していますか?
冒頭で私は本番について「発表会やコンクール」と言いましたが、本当にそうでしょうか。
いつでもどこでも【この場】は二度とやってきません。
この「いつでもどこでも二度と訪れないもの」こそが本番ではないでしょうか。
本番を特別なものにとらえてしまうから、緊張してしまうのです。
本番とは、日常に転がっていて、発表会やコンクールはその延長でしかないということを覚えていてください。
目の前に聴いている人がいなくても、聴かれることを意識して常に本番な生き方をしましょう。
4.音楽を「play」する
皆さんはピアノを「play」していますか?
ここでの「play」は×演奏するではなく、〇遊ぶ=楽しむ、の意味です。
・本番だからといって縮こまってピアノを弾いていませんか。
・先生や親御さんの顔色をうかがってピアノを弾いていませんか。
ピアノを演奏するのはほかでもない自分です。
そして弾いている人が楽しくなければ、聴いている人が楽しめるわけありません。
「今を楽しんで、今に集中する」と同様、ピアノを弾くという「今」をぜひ「play」してください。
5.準備を徹底的にする
本番では何が起こるかわかりません。
私は、当時習っていた先生にこう言われました。
「本番では実力の60%が出せたらいいほうだ。」と。
だから、本番での演奏が100%ではなかったからといって落ち込む必要はありませんが、練習の段階ではあらゆる状況を想定して練習することがとても大切です。
準備を怠ったがために失敗をし、それが原因で心がゆらぎ、演奏が崩壊することも珍しくありません。
常に最悪の状況を想定し、本番で心がゆらぐ原因を取り除きましょう。
6.自分の機嫌は自分でとる
これは、一見簡単なようで難しいことですね。
普段から自分で機嫌をとれないと、周りからの影響で気分が左右してしまうことになります。
自分の感情をコントロールすることも大事ですが、普段から自分の機嫌をとることで、不測の事態にも踊らされずに心を安定して保つことができます。
本番の日だけ気をつけていても、効果はありません。
音楽以外の日常生活でも「自分の機嫌は自分でとる」ことを心がけることで、他人や状況に振り回されない強い心を育てることができます。
7.他人を応援する
音楽に限らず、普段から周りの人を応援することができていますか?
自分だけではなく、何の得もないように思える「他人を応援する」ことが、実は自分のためになっているのです。
人はなぜスポーツを観戦しに行って応援するのでしょうか。
それは、ただチームを応援したいだけではなく、応援する自分が良いエネルギーをもらえるからでもあります。
誰かを応援すると、それだけ自分もハッピーな気持ちになれます。
ライバルの失敗を願うのではなく心から応援することで、良いエネルギーが生まれて自分のパフォーマンスが向上します。
これを使わない手はありません。
(良いエネルギーを生むためには、打算ではなく心から応援しましょう。)
8.「ありがとう」をたくさん言う
これも「他人を応援する」のと同じなのですが、人に与えたものは必ず自分に返ってきます。
「ありがとう」という言葉は、相手に感謝を伝えるものというだけではなく、自分の潜在意識を良くする魔法のことばでもあります。
「ありがとう」を素直に言えない、「ありがとう」を素直に受け取れないのは、潜在意識の中でどこか心が「負の感情」にとらわれているからです。
ここまで読んでいただいた皆さんならお分かりいただけると思いますが、「負の感情」は自分のメンタルを安定させることを妨げます。
いつしかその「負の感情」にとらわれて「今」を見失うことにもなりかねません。
本気で安定した演奏を目指したいなら、潜在意識レベルで変えることが重要です。
9.歩きながら景色全体を見る
一見メンタル強化に関係のないことに思えるかもしれませんが、これを実践するとメンタル強化はもちろん、演奏自体の向上も見込めます。
どういうことか。
まず、これは細かい要素にとらわれず全体を見るという「俯瞰的な視線をもつ」ためのものだということです。
・心のどこかで「負の感情」にとらわれているから、メンタルが不安定になり演奏が崩壊してしまう
・細かい要素にとらわれて、作品全体を客観的に見れていない
これらを克服するためには、演奏の時だけ変えようとしてもなかなか実現できません。
普段の生活から、物事の「全体をみる」という癖をつけることで、メンタル、ひいては演奏内容の向上にも影響を及ぼすことができるというわけです。
10.「他人より自分」と言い聞かせる
安定したメンタルを作るのにひとつ覚えていてほしいことがあります。
それは「他人は変えられない」ということ。
変えることができるのは、自分だけです。
皆さんは誰のために演奏をしていますか。
コンクールで競争をし、他人と比べてどうかという物差しで自分の演奏を測っていませんか。
もう一度言います。他人は変えられません。
変えられない他人に意識を向けるのではなく、自分自身と今出している音に集中しましょう。
まとめ
今回お話しした内容を、もう一度まとめます。
本番で崩れないメンタル強化法10選は以下です。
1.普段からポジティブな言葉を使う
2.今に集中する
3.本番を特別にとらえない
4.音楽を「play」する
5.準備を徹底的にする
6.自分の機嫌は自分でとる
7.他人を応援する
8.「ありがとう」をたくさん言う
9.歩きながら景色全体を見る
10.「他人より自分」と言い聞かせる
今回紹介した内容にもっと興味がある方は、以下の本がおすすめです。
今回紹介した内容は、この本から私が実際に取り組んだものを抜粋しています。
私の演奏人生を変えてくれたとても大切な本です。本気で悩んでいる方、ぜひご一読ください。
今日から強い自分を目指して、行動していきましょう!
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