♯100 【初心者向け】ピアノのリズムがわからない原因と、今日からできる効果的な練習法|拍子を叩きながら読むだけで格段に変わる!

練習法と上達のヒント

ピアノ初心者の多くが最初につまずくポイントが「リズムの理解」です。
楽譜は読めるのに、テンポが安定しない・曲の途中で早くなる・8分と16分の違いがわからない…という悩みは本当に多く聞きます。

ですが、リズムが苦手なのは“センスの問題”ではありません
たった一つ、拍(ビート)を体で感じる経験がまだ足りていないだけ。

この記事では、4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名以上にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、

初心者でも確実にリズムの感覚をつかめる練習方法を中心に、やさしく詳しく解説していきます。


リズムが難しく感じる理由は「拍の不在」

初心者はどうしても、

  • 4分音符は黒くて棒がある
  • 8分音符は旗がある
  • 16分音符はさらに細かい

というように、音符を“形”として理解しがちです。
しかし、リズムの本質は形ではなく時間

音符はすべて「一定の拍の中をどのように分割するか」を示す記号であり、拍(ビート)が存在しなければ本来の長さは決まりません。

つまり、
リズムがわからない=拍を感じられていない。
この構造が理解できると、苦手の原因が一気にクリアになります。


手で拍子を叩きながら音符を読むのが、初心者に最も効く理由

リズムが苦手な人に最初に行ってほしいのは、非常にシンプルですが効果抜群の方法です。

手で拍子を一定に叩きながら、声に出して音符を読むこと。

これは私のレッスンでもよく取り入れており、どのレベルの生徒にも効果が見られます。


● この練習が強力な理由

  • 拍が“動作”として体に入るのでズレにくい
  • 鍵盤を弾く複雑な作業がなくなり、リズムだけに集中できる
  • 音符の長さを「感覚」ではなく「体の動き」で理解できる
  • 視覚(楽譜)・聴覚(声)・身体感覚(叩く)が同時に働き、定着が圧倒的に早い

これを続けるだけで、リズムの安定度は大きく変わります


よくあるミスの例

ここでは深掘りはしませんが、初心者にはこんなパターンがよく見られます。

  • 16分音符のあとにくる8分音符が速くなる
  • 細かいリズムのあとの4分音符が短くなる
  • テンポが安定せず、一定の拍に戻れない

これらはすべて、拍が一定の柱として存在しないことが原因。

逆に言うと、拍を叩きながら読む練習を徹底すれば、自然に改善していきます。


今日からできる!リズム感を育てる3ステップ

初心者でも確実に身につく、再現性の高いステップを紹介します。


① 鍵盤から離れて、まず“叩きながら読む”

最初からピアノで弾こうとすると、指の動きに気を取られてリズムの学習になりません。

例:
4分 → タン
8分 → タタ
16分 → タカタカ

拍子を叩きながらリズムを声に出して読むだけで、音価の関係が明確になります。


② パターン練習で混乱を防ぐ

初心者は「種類が増えると混乱する」ため、最初はテーマ別にパターン化して練習します。

例:

  • 4分だけ
  • 4分+8分
  • 8分+16分
  • 16分の連続

この組み合わせ練習が、リズムの基礎体力になります


③ 目・手・声の3つを同時に使う

  • 目で楽譜を見る
  • 手で拍を叩く
  • 声で読む

この“三点セット”が最速での定着に必須です。


リズムが苦手な人に強くおすすめしたい教材

さらに理解を深めたい方には、
丸子あかね先生の『みんなだいすきリズムのほん』 がとてもおすすめです。

音符の長さ・拍の感じ方・リズムの組み立て方が、難しい言葉を使わず、
“体で理解できる形”で分かりやすくまとめられています

実際に私の生徒でも、この本を使い始めると

  • 8分と16分の違いが明確に感じられるようになった
  • 拍を数えずに、自然と体でリズムを刻めるようになった
  • 読み替えが楽になり、初めて見る楽譜でも迷わなくなった

という変化が見られます。

リズムが苦手な人にとって、最初の1冊として非常に優れた教材です。


数えるのは、譜読みの段階で|筆者の経験談

音楽教室でピアノを教えていて、
リズムの長さを間違えるのは子どもに限らず、大人の方にもいらっしゃいます。

よく生徒さんには「弾きながら数を数えなさい。」と言いますが、
実際に数えながら弾くのは難しいです。

「ピアノを弾くのでも大変なのに、そのうえ数も数えなければならないなんて」
その通りだと思います。ではどうしたらいいのか。

私は、譜読みの段階できちんと長さを確認して覚えることが重要だと思います。
間違えていそうなところは念入りに数を数えて長さを確認します。

二十数年ピアノを弾いてきた私でさえ、難解なところは譜読みの際に数を数えて確認しています。
それでよいと思います。

リズムがわからなければ、譜読みの段階で拍子を叩きながらリズム読みする
(そのとき声に出す音の高さは正確でなくてよい)

この方法は、高校の合唱部時代にリズムがわからない仲間に教えるときにも使っていました。
先にやってみせれば、そのあと理解するのはただ教えるのよりも早かったです。

まとめ|リズムは“才能”ではなく“習得できる技術”

リズムがわからないと悩む人は多いですが、
その正体は能力不足ではなく、拍を感じる経験不足です。

  • 手で叩きながら読む
  • パターンごとに練習する
  • 目・手・声を使う
  • 良い教材を取り入れる

この4つを続けるだけで、リズムは必ず安定します

リズムの土台が整うと、曲がより弾きやすくなり、表現力にも大きな差が出ます。
ぜひ今日から少しずつ、取り入れてみてください。


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