本番の日は、演奏そのものだけでなく、当日の「環境づくり」も演奏の質に直結します。
どれだけ練習を積んでいても、当日に焦ったり、不安材料があると集中力が削がれてしまうもの。
そこで今回は、私が実際に毎回の本番で必ず持っていくものを、理由とともに詳しくまとめました。
これからコンサートや発表会、本番を控えている方の参考になれば嬉しいです。
私が本番に必ず持っていくものリスト
■ ① 楽譜(コピー譜 or iPad)
本番当日、私は コピーした紙の楽譜 か iPad を持ち歩いています。
本番用のオリジナル楽譜は大切なので、基本的に持ち歩きません。
コピー譜は気軽に扱えて、必要な書き込みが見やすいのがメリット。
iPadは荷物が軽くなるので、移動が多い日には特に便利です。
ホールに向かう途中で音楽のイメージを再確認したり、
直前に構成を見返すのにも役立ちます。
本番直前まで楽譜を見ていることもあります。
■ ② ハンカチ(手汗対策)
意外と軽視されがちですが、手汗は本番の天敵。
鍵盤がすべりやすくなると、細かいパッセージの精度が一気に落ちます。
私は舞台袖でハンカチを軽く握って、手の湿度を整えるようにしています。
舞台に持っていってピアノの中に置いている人もいます。
■ ③ チョコレート
エネルギー補給用として、チョコレートは定番。
糖分は脳の回転を助け、集中力を瞬時に上げてくれます。
緊張で食事が喉を通らなくても、チョコなら食べやすいというのもポイントです。
■ ④ バナナ
バナナは消化に負担がかからないのに腹持ちがよく、エネルギーも安定的。
緊張して食べ物がのどを通らないときでも、バナナは必ず頬張ります。
■ ⑤ コーヒー(小さいボトル)
少しだけ飲むと、適度に集中力が高まり、気持ちが切り替わります。
ですが、これは人によります。本番前にカフェインは取らないという人もいます。
私はコーヒーが好きなので、
本番前にコーヒーを飲んでテンションを静かに上げています。
コーヒーでなくとも、自分の好きな飲み物を飲むと
リラックスできて良いと思います。
■ ⑥ 衣装
衣装は基本ですが、予備のストッキングや小物の替えも念のため入れておきます。
意外とトラブルが起きやすいのが衣装まわり。
忘れ物をしたときの精神的ダメージは相当大きいので、前日から丁寧に確認します。
アクセサリー類も忘れないように、確認します。
場合によっては、ヘアアイロンも持って行ったりします。
■ ⑦ 口紅(はっきりした色)
顔色がぱっと明るく見えるだけで、気分が切り替わり、
舞台に立つ「スイッチ」が入る感覚があります。
いつもよりはっきりした口紅を塗ることで、
お客さんにも顔の表情をしっかり見せます。
■ ⑧ イヤホン
移動中に音源を聴いたり、雑音を遮断して集中したり、心を落ち着かせるために使います。
人の声や環境の音で気持ちが乱れやすい本番当日には欠かせません。
最近のイヤホンは、
ノイズキャンセリングの機能を持ったものも多いので、活用しています。
■ ⑨ スマホ
連絡手段だけでなく、
リハの時間や会場の注意事項、スケジュール確認などに必須。
電車の乗り換え時間は、
間違えると本番の時間に間に合わないということもあるので念入りに。
■ ⑩ 小腹満たし(軽食)
クッキーや小さなパンなど、食べやすいものを少し。
本番前は緊張で食べられない人も多いので、「食べられそうなもの」が安心感になります。
お腹すいたけど何も持っていない、だとそれだけで集中力が妨げられる可能性があります。
演奏の集中を妨げそうな要因は、ひとつ残らず無くすようにします。
■ ⑪ カイロ(冬)
指が冷えると、どれだけ練習していても普段の動きが出せません。
冬は必須アイテムです。
カイロを持っていないときは、首に手をあてて温めたりしています。(笑)
■ ⑫ 手袋(冬)
ホールは意外と寒いことも多く、舞台袖も冷えます。
指先を温めるために、手袋は大きな助けになります。
他の寒さ対策としては、カーディガンを持っていると安心です。
どんなことでも対応できるようにあらゆる状況を想定します。
なぜ持ち物が大事なのか?
本番は「演奏技術」だけでなく、
当日のメンタル・体調・環境調整が演奏の質を左右する場だからです。
環境が整っていると、集中力が安定します。
逆に「忘れた…」という焦りは、演奏にまでじわじわ影響します。
こうした持ち物は、万が一のトラブルを避けるだけでなく、
自分がベストな状態で舞台に立つための準備でもあります。
まとめ
本番当日の持ち物は、単なる荷物ではなく「演奏の質を支える土台」。
小さなことに見えても、メンタルや集中力に大きな影響を与えます。
あなた自身のルーティンや体質に合わせて、
「これがあると安心する」というアイテムを少しずつ増やしていくと、
本番の成功率は確実に上がります。
この記事を参考に、自分だけの本番セットをぜひ作ってみてください。



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