
ピアノを習い始めると、まず耳にする「ドレミファソラシド」。
皆さんはこの言葉、一体何語だかご存じでしょうか?
「日本語でしょ?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はこれ、イタリア語なんです!
私たちが当たり前のように使っている音の名前(音名)には、実はイタリア語以外にも、日本語、英語、そしてドイツ語といった複数の呼び方があります。
「そんなにたくさん覚えるのは大変そう……」と感じるかもしれませんが、実はこれらを知っておくと、楽譜を読むのがぐっと楽になり、音楽の理解が深まるのです。
今回は、意外と知らない音名のルーツから、音楽家が最も愛用する「ドイツ音名」の便利な使い方まで、楽しく分かりやすく解説します!
筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。
ドレミファソラシは「イタリア語」!日本語だと思ってた?

まず最大の衝撃(?)からお伝えします。
冒頭でも触れた通り、「ドレミファソラシ」はイタリア語です。日本語だと思っていた皆さん、残念でした!
実は私も、この事実を知った時は「ずっと日本語だと思って使っていたのに!」と驚きました。
では、気になる「日本語」での呼び方はというと、
「ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ」となります。
音楽に詳しくない方でも、日本人ならどこかで聞いたことがあるフレーズではないでしょうか?
そうです、古くから伝わる「いろはにほへと……」という「いろは歌」がルーツになっています。
ここで面白い発見があります。
ドレミの「ラ」の音から読み直してみてください。
「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」は、日本語では「イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト」となります。
なぜ「ド」からではなく「ラ」から「イロハ」が始まるのか。興味深いですね。
英語音名は「ABC」!なぜ「C」から始まるの?

次に紹介するのは、ポピュラー音楽やコード演奏で欠かせない「英語音名」です。
英語では、ドレミファソラシをアルファベットで表します。
ドレミファソラシ = C・D・E・F・G・A・B
読み方はそのまま「シー・ディー・イー・エフ・ジー・エー・ビー」です。
ここでも不思議な現象が起きています。
先ほどの日本語と同じように、「ラ」から数え始めてみてください。
「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」は、英語では「A・B・C・D・E・F・G」と、見事にアルファベット順になります。
「ラ」から始まることに何か特別な意味がある……そう感じざるを得ない綺麗な並びですよね。
現代の音楽理論では「ド(C)」が中心のように感じますが、歴史の始まりは「ラ」にあったということが、音名から透けて見えるのが面白いところです。
音楽家が最も愛用する「ドイツ音名」の秘密

さて、ここからが本番です。
私たち音楽家が現場で最も頻繁に使うのが、この「ドイツ音名」です。
ドイツ音名の並びは、英語と非常によく似ていますが、一箇所だけ大きな違いがあります。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ = C・D・E・F・G・A・H
お気づきでしょうか?「シ」の音が「B」ではなく「H(ハー)」なのです。
読み方は以下の通りです。
C(ツェー)、D(デー)、E(エー)、F(エフ)、G(ゲー)、A(アー)、H(ハー)
ちなみに、ドイツ音名にも「B」という文字は登場しますが、これはドイツ語読みで「B(ベー)」と呼び、「シの♭(フラット)」の音を指します。
英語のBとドイツ語のBでは指す音が違うので、ここは要注意ポイントです!
吹奏楽やオーケストラで「この曲はB管(ベーかん)で」「A管(アーかん)に持ち替えて」といった会話が飛び交いますが、これらもすべてドイツ語読みがベースになっています。
♯や♭も一言で!ドイツ語読みが「便利」な理由

なぜ、わざわざドイツ語で呼ぶ必要があるのでしょうか?
その最大のメリットは、「半音上がった音(♯)」や「半音下がった音(♭)」を一言で表現できる点にあります。
英語だと「C sharp(シー・シャープ)」と二言必要ですが、ドイツ語なら語尾に特定の文字を付けるだけでOKです。
- ♯(シャープ)を付けるときは、語尾に「is(イス)」を付ける
- ド♯:Cis(チス)
- レ♯:Dis(ディス)
- ミ♯:Eis(エイス)
- ファ♯:Fis(フィス)
- ソ♯:Gis(ギス)
- ラ♯:Ais(アイス)
- シ♯:His(ヒス)
- ♭(フラット)を付けるときは、語尾に「es(エス)」を付ける
- ド♭:Ces(ツェス)
- レ♭:Des(デス)
- ミ♭:Es(エス)
- ファ♭:Fes(フェス)
- ソ♭:Ges(ゲス)
- ラ♭:As(アス) ※A+esでAs(アス)
- シ♭:B(ベー) ※唯一の例外
このように、どんな複雑な音も一音節でパッと言えるため、レッスンの現場や合奏の練習では非常に効率が良いのです。
まとめ:音名を覚えると、音楽の世界がもっと広がる

「ドレミ」だけでなく、英語音名やドイツ音名を知っておくことは、単に呼び方が増えるだけではありません。
- 英語音名を知れば、コード(和音)が読めるようになる。
- ドイツ音名を知れば、音楽家同士のコミュニケーションがスムーズになる。
- 日本語音名を知れば、日本の音楽用語(ハ長調など)が理解できる。
最初は混乱するかもしれませんが、「ラから始めればABCやイロハになる」というルールさえ覚えておけば、パズルを解くように楽しく身につけられるはずです。
クラシックを弾く時も、流行りの曲をコードで弾く時も、これらの知識は必ずあなたの助けになってくれます。
ぜひ、今日から自分の弾いている音を「これはCis(チス)だな」「次はG(ジー)のコードだ」と、別の名前で呼んでみてください。
きっと、楽譜の見え方が少しずつ変わってくるはずですよ!
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筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。

