♯248 「本番なのに練習してない!?」ピアノで弾けない悪夢を見るのはなぜ?音大生も震える謎の共通体験


夜中にハッと目を覚まし、冷や汗びっしょりで心臓がバクバクしている……。
「夢だった……本当によかった……!」と、ベッドの上で激しく胸をなで下ろす。

ピアノを弾く方なら、一度はこんな経験がありませんか?

その夢の内容とは、「なぜか今日が本番なのに、まったく練習していない曲をステージで弾かなければならない」という場面の夢です。

実はこれ、私自身も何度も見ていますし、私の恩師も、音大時代の友人たちも、後輩も、何人もが見たことがあると話す「ピアニスト共通の悪夢」なのです。

私たちは何ヶ月も前からコツコツ練習して本番に備えているはずなのに、なぜ夢の中の自分は「練習していない」のでしょうか?

今回は、多くのピアノ弾きが一度は経験するこの恐ろしい悪夢の体験と、その謎についてお話しします。

筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。

ピアニストがよく見る夢:「まったく練習していない曲でいきなり本番」

この夢を見るとき、状況はいつも唐突です。

気がつくと、今日が本番の日。それなのに、自分はこれから弾く曲の練習をまったくしていないのです。

現実の私たちなら、本番があるのに練習していないなんて絶対にあり得ません。何ヶ月も前から本番に向けて計画を立て、毎日ピアノに向かって練習を重ねるのが当たり前です。

それなのに、なぜか夢の中の自分は本番で弾く曲の練習を一切していません。

「本番があるのに練習していないなんて、ありえない!」
「なんで練習していないんだ!」

夢の中で自分自身に対してそう叫びながら、猛烈なパニックに陥ります。

細かいシチュエーションは人それぞれですが、「練習していない曲でいきなり本番を迎えてしまう」という恐怖のシチュエーションは、ピアニスト(もしかしたら他の楽器を演奏する人も)なら本当によく見ている夢のようです。

大事なコンクールで暗譜もゼロ。「どうするの、これ」と叫ぶ夢の記憶

私自身が見た夢の中でも、特に強烈だったのは「大事なコンクール」の場面でした。

ただでさえ緊張感のあるコンクールの舞台。それなのに、弾かなければならない曲の練習を全くしておらず、暗譜すら全然できていない状態なのです。

舞台袖で出番を待ちながら、「暗譜もできていないのに、どうするの、これ……!?」と頭を抱え、焦って直前に必死に暗譜しようともがくのですが、当然そんな短時間で覚えられるはずもありません。

逃げ出したいのに出番は刻一刻と近づいてきて、冷や汗を流しながらパニックになったところで、あまりの恐怖にパッと目が覚めるのです。

起きた瞬間に「現実のコンクールじゃなくて本当によかった……」と全身の力が抜けますが、夢の中のあの焦りと恐怖は、起きてからも鮮明に心に残るほどリアルです。

脳科学の先生に解明してもらいたい!なぜ「練習していない」のか?

この夢を見るたびに、私は「ぜひ脳科学の先生に解明してもらいたい」と強く思います。

私たちピアニストは、無意識のうちに本番への恐怖やプレッシャーを、夢の中でも感じているのでしょうか。

普段は意識していなくても、心の奥底にある「本番に対する重圧」が、眠っている間に悪夢となって現れているのかもしれません。

だとしても、一番の謎は「なぜ夢の中の自分は練習していないのか?」ということです。

もしプレッシャーから夢を見るのだとしても、「たくさん練習したのに本番で間違えてしまう夢」を見るならまだ理解ができます。
それなのに、なぜ現実では絶対にあり得ない「そもそも練習していない」という設定になってしまうのか。

何ヶ月も努力してきた現実の自分を無視して、なぜ脳は「練習ゼロの丸腰」で自分をステージに立たせるのでしょうか。本当に謎でしかありません。

先生も音大仲間もみんな同じ。あなただけが見ている夢じゃない

音大の友人や後輩、そして先生と話していても、この「練習していない曲で本番を迎える夢」の話は本当によく出てきます。

もしあなたが最近この悪夢を見てしまい、「本番が近いのに不吉だな」「自分はプレッシャーに弱いのかな」と不安になっていたとしたら、どうか安心してください。

プロを目指して何時間も練習している音大生も、何年も指導している先生も、みんな同じように夢の中で「練習してない!どうしよう!」と叫んでいます。

それだけピアノの本番というものは、誰にとっても大きな緊張感を伴うものであり、無意識のレベルで真剣に向き合っている証拠なのだと思います。

まとめ:悪夢から覚めたら「現実の自分」を信じてあげよう

「本番なのに練習していない曲を弾かされる夢」。
起きた瞬間は本当に嫌な汗をかきますし、どっと疲れてしまいますよね。

でも、目覚めたらぜひ思い出してください。

夢の中の自分は練習していなかったかもしれませんが、現実のあなたは、何ヶ月も前からちゃんと練習を積み重ねてきています。

夢の中で最悪の恐怖を味わった分、「現実の自分はしっかり準備しているから大丈夫」と、自信を取り戻すきっかけにしてみてください。

今夜もどこかで、誰かが同じ夢を見て焦っているはずです。お互い、現実の練習を信じて本番のステージに向かいましょう!

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筆者プロフィール:

4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。


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