「ピアノがもっと上手くなりたい」と願うとき、私たちはつい練習室にこもって自分一人で鍵盤に向かいがちです。
しかし、上達への近道は意外なところにあります。それは「他人の演奏を深く観察すること」です。
以前、上手い下手に関わらず色々な人の演奏を聴くことが上達に繋がるというお話をしました。
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今回はさらに踏み込んで、具体的に「演奏のどこを見て、何を盗めばいいのか」という視点をお話しします。
記事の後半では、そんな「観察の場」としてぴったり(?)な、10月のデュオコンサートのお知らせも。
私の演奏が「盗むべき上手い演奏」に該当するかどうかはさておき(笑)、ぜひ最後までお読みください!
筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。
「上手い演奏」の正体を見極める

そもそも、 何をもって「上手い」と判断すべきでしょうか?
特にあまり普段からピアノの演奏を聴かない方にとって、その基準は意外と難しいものです。
「ミスタッチがない」「楽譜を見ずにスラスラ弾いている」
といった表面的なことだけで判断していませんか?
もちろんそれも素晴らしい技術ですが、音楽を習ったことがある方なら、それだけではない「何か」があることに気づいているはずです。
その「何か」を解明し、自分のものにするためのポイントを整理してみましょう。
指の形と「音」の因果関係を紐解く

まず注目してほしいのは、「指の形や角度、体の使い方」と「実際に出ている音」のセットです。
魅力的な音を出している人は、必ずそれに見合った体の使い方をしています。
たとえば、
- 柔らかい音の時: 指の角度はどうなっているか? 手首をどう使っているか?
- 大きな音の時: 腕や肩、背中の力をどう鍵盤に伝えているか?
最初はよくわからなくても、たくさんの奏者を観察するうちに
「あ、この人は指を寝かせて柔らかい音を出しているな」
「この人は打鍵のスピードが速いな」
といった 違いがなんとなく見えてくるはずです。
ここで大事なのは、あえて「上手な人」と「そうでない人」を比べてみることです。
「この人は上手な人と比べて音が硬いな、それは指が突っ張っているからかな?」といった視点を持つことで、 自分の演奏を客観視する目が養われます。
「マネる」ことは、上達への最短ルート

「人の真似をするのは個性がなくなるのでは?」と心配する方がいますが、それは大きな誤解です。
自分一人で試行錯誤するのには限界があります。
先人たちが築き上げてきた技術を積極的に「盗み」、マネをすることで、それはいつしかあなたの血肉となり、 本当の意味での「自分らしさ」に変わっていきます。
まずは、素敵だなと思った奏者の「音のタメ方」「歌い方」「間の作り方」を徹底的に真似してみてください。
実際に自分で試してみると、最初は「全然あんな音が出ない!」とガッカリするかもしれません。
でも、それが健全な反応です。試行錯誤するうちに、いつもの自分の演奏とは違う響きが生まれたら、 その変化を全力で楽しんでください。
なぜ「生演奏」でなければならないのか

今の時代、YouTubeで手軽に素晴らしい演奏が見られます。もちろんYouTubeも聴き流すだけで勉強になりますが、 私はあえて「生演奏」を強くお勧めします。
動画はカット割りによって、肝心な手元の動きや体全体の使い方が見えないことがよくあります。
何より、空気の振動として伝わる「生音」の情報量は、デジタル音源とは比較になりません。
演奏者がどこで呼吸をし、どのように空間を支配しているのか。その緊張感と響きを肌で感じることで、あなたの感性は大きく刺激されます。
【お知らせ】10/12 Duo concert ーブラームスに寄せてー

さて、ここまで「上手い人の演奏を観察して盗もう!」と偉そうに語ってまいりましたが……(笑)。その実践の場として、私のコンサートをご案内させてください。
今回は、チェロ奏者の入江晴美さんをお迎えし、ブラームスの深い世界をお届けします。

- 公演名:橋本智菜美ピアノリサイタルシリーズⅡ 「Duo concert ーブラームスに寄せてー」
- 日時: 10月12日(月・祝)18:00開演(17:30開場)
- 会場: 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
- 出演: 入江晴美(チェロ)、橋本智菜美(ピアノ)
「上手い人の演奏から学べ」と言った直後に自分の演奏会に誘うのは、なかなかのプレッシャーですが……(笑)。
私が上手いかどうかはさておき! ピアノとチェロがどのように対話し、どのように音を紡いでいるのか、ぜひ「観察」しに来てください。
ブラームスの重厚な響きを作るために、私がどんな指の形をし体を使い、どんな「間」を作っているのか。
YouTubeでは見えない細かな体の使い方も、生演奏なら一目瞭然です。もし「あ、今の音いいな」と思う瞬間があれば、遠慮なく盗んでいってくださいね。
まとめ:観察があなたのピアノを育てる

ピアノの上達は、練習室の中だけで完結するものではありません。
「よく聴き、よく観察し、そして真似してみる」。このサイクルを繰り返すことで、あなたの耳は肥え、指先は新しい表現を覚えていきます。
10月12日、さいたま芸術劇場で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。私の演奏が、皆さんの上達の(反面教師を含めた?)ヒントになれば幸いです!
10/12コンサートチケットご予約は、office@sakuramusic.jp までお問い合わせください!
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筆者プロフィール:
4歳よりピアノを始め、埼玉県立大宮光陵高校音楽科、東京音大ピアノ演奏家コース、同大学院修士課程を修了。コンクール受賞歴多数。奨学金授与、短期留学を経験し、現在は演奏活動と並行し累積50名以上の指導に携わる。現役奏者の視点から、ピアノ上達のヒントや本番に強いメンタル術を発信中。

