楽譜を見ていて、音符の上に小さく「3」と書かれた記号を見たことはありませんか?
それが「3連符(さんれんぷ)」です。
3連符は、2つ分の長さの中に3つの音を入れるリズムのこと。
たとえば、ふつうは「タ・タ」と2回弾くところを、「タタタ」と3回に分けて弾くような感じです。
最初はちょっと不思議なリズムに聞こえるかもしれませんが、ピアノの作品にもよく出てくる欠かせない音符なんです。
4歳からピアノを始めて音高・音大・音大の院に進み、大人子ども含め累積約50名以上にピアノを教え、現役で演奏活動を続ける筆者が、
「ピアノ初心者の人にも分かる、3連符の弾き方と練習のコツ」を解説します。
3連符の基本をかんたんに理解しよう
3連符は「3つの音を、同じ長さで、均等に」弾くのが基本です。
たとえば4分音符を1拍とすると、3連符はその中に3つの音を入れるリズム。

ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、イメージとしては
「いち・に・さん」
と声に出してみると分かりやすいです。
ふつうの8分音符が「タ・タ」なら、3連符は「タタタ」。
この“タタタ”のリズムを体で感じることが、リズム理解への第一歩です。
ピアノでの3連符の弾き方のコツ
3連符をきれいに弾くためには、「力を抜く」ことがいちばん大切です。
- 指をムキになって動かさない
- 手首をかたくしない
- 音と音の“つながり”を意識して流れるように弾く
3連符は“区切る”というより“流す”リズム。
水がすっと流れるようなイメージで弾くと、自然な音の流れになります。
もし片手が3連符ではなく普通のリズムで、もう片手が3連符という場面が出てきたら、最初はどちらかの手だけ練習してみましょう。
それぞれのリズムが体になじんだら、少しずつ両手で合わせるのがコツです。
初心者でもできる3連符の練習法
① まずは声に出してみる
「タタタ」「いち・に・さん」と言いながら手拍子。
体で3連符のリズムを覚えます。
② 片手ずつゆっくり練習
片手ずつ、メトロノームに合わせて3つの音を均等に弾きましょう。
急がず、音と音の間がそろっているかを確認します。
③ 両手を組み合わせてみる
片手が2連(タタ)、もう片手が3連(タタタ)──これは少し難しいです。
(最初は同時、2連の二つめは3連の2と3の間に入れる)

最初は1小節だけでもOK。
ゆっくり、何度も繰り返して体で覚えます。
④ 曲の中で探してみよう
実は、3連符は有名な曲にもたくさん出てきます。
ショパンのノクターン、ベートーヴェンのソナタなど、
「ここにも3連符!」と気がつくと、練習がより楽しくなります。
よくある間違いとその直し方
- 均等に弾けない → 前のめりにならないよう指で支える
- 3つがばらばらになる → 指の動きを小さくまとめる
- リズムが走る(速くなる) → メトロノームでテンポをキープ
焦らず、音の流れを感じながら練習するのがポイントです。
3連符とよく間違えるリズム|筆者の経験談
生徒さんたちを教えていて、3連符に苦労する姿をよくみかけます。
3連符とよく間違えてしまうのが、「16分音符2つと8分音符の組み合わせのリズム」です。
〈16分音符2つと8分音符の組み合わせのリズム〉

3連符は「タタタ」に対して、こちらのリズムは「タタター(‘’たかたー‘’とも言う)」です。
3連符との違いは、最初の二つの音が3連符より速い(短い)ことです。
このリズムと3連符を混同する生徒さんは、とても多いです。
そんなとき私は、名前の例を出して説明します。例えば私の名前(ちなみ)だったら、
3連符は「ちーなーみ」、
こっち(16分音符2つと8分音符1つ)は「ちなみー」だよ。
これを生徒さんの名前でやると、親近感をもってもらいやすく、分かりやすく伝えられていると感じています。
一度慣れてしまえばなんてことのないリズムですが、初めはつまづきがちなので丁寧な指導が大切です。
まとめ
3連符は、ピアノの中でもとても大切なリズムです。
最初は少し難しく感じても、「3つの音を均等に流す」というイメージで練習すれば、自然に弾けるようになります。
3連符をマスターすると、音楽がなめらかになり、
“歌うようなピアノ”に一歩近づけます。
焦らず、楽しみながら少しずつ。
今日から3連符の練習をはじめてみませんか?
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